夜空と陸とのすきま

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パーマー・エルドリッチの三つの聖痕/フィリップ・K・ディック

パーマー・エルドリッチの三つの聖痕

 

ついにディックの円熟期作品にたどりついたー。ディック山の折り返し地点到達。

異常気象により灼熱状態の地球から、太陽系の他の惑星に強制移民させられた人びとは、あまりにも不毛な土地に絶望し、ドラッグにのめりこんで現実逃避をしているという設定。俺たちがこの未知なる惑星を開拓するぜーというような、フロンティア精神が最初からないという。毎度の事ながらいやな未来。

そのシュア100%のドラッグ「キャンD」に対して、実業家のパーマー・エルドリッチが持ち込んだ地球外のドラッグ「チューZ」が登場、この新作ドラッグは摂取者の時間と空間を侵食し、ぼろぼろにさせていく。

チューZでトリップして悪夢→やっと目覚めたと思ったらまだ悪夢の中という無限地獄がなんども描かれて、読んでいて酔いました。主人公もメイヤスンなのかレオなのか、どっちかわかんない。なんというか、酔ったまま読み終わってしまって、肝心なところを読み飛ばしてしまった気がします。そのうち再読しよう。