図書館で借りる。
隣町の図書館は海外文学の本棚だけが南向きで、見事にすべての背表紙が日焼けしており、どの本も年季が入っている古書のようなのでなんとなくスルーしていましたが、初めて腰をすえてよく見てみると柳下毅一郎さんの名前が!
よくよく見てみると国書刊行会の本がちらほらと。
じつは宝の山やないか〜(・∀・)
「ゴーレム100」も「宇宙舟歌」もあるぞ!
でも「ケルベロス第五の首」はないのか…(一番読みたかった)
国書刊行会を入荷してくれたSF好きな司書さんありがとうd(>ω<*)
というわけで、ジーン・ウルフの短編集。
表紙がかっこいい!
doctor、island、deathの三語の順番組み合わせの入れ替えによる、3つの連作短編
「デス博士の島その他の物語」「アイランド博士の死」「死の島の博士」
こういう言葉遊びは楽しいですね。
「博士の島」というと、もちろんマッドサイエンティストが出てくる「モロー博士の島」を思い浮かべてしまうのですが、やはり「モロー博士」へのオマージュ短編だった「デス博士の島その他の物語」。母子家庭でおかんがヤク中で不安定、幼い息子は物語の中に逃避する話で、どこか映画「ローズ・イン・タイドランド」を思い出しました。
どうしようもない母親と、そのとりまきたち。孤独な少年の側に、本の登場人物達が現れ話しかけてくれます。この本を読み終えたらみんな消えてしまうのか、心配する少年に語りかけるデス博士
きみは本をつきつける。
「この本、もうあと読みたくないよ。博士はきっと最後に死んでしまうんだもん」
「私を失いたくないか?泣かせるね」
「最後に死ぬんでしょう?ねえ?」
デス博士は微笑する。
「だけど、また本を最初から読み始めれば、みんな帰ってくるんだよ。きみだってそうなんだ。まだ小さいから理解できないかもしれないが、きみだって同じなんだよ」
デス博士カッチョイ〜〜!!しびれる!