古本にて購入。
以前、はてなブログで京大SF研究部OB(うろ覚え)がオススメするSF小説リストに
角川ホラー文庫の「玩具修理者」が入っていたので、ホラー扱いだけどSFなのかなと気になって、読んでみました。
第2回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞した「玩具修理者」と小長編「酔歩する男」の2作の作品集。
確かにホラーであり、SF、ミステリーでもありました。
解説を読むとラグクラフトのクトゥール神話の神々の名前が出てくるとかで、ラグクラフト好きな人はニヤリな感じ。
「玩具修理者」は解体シーンがグロかったけれど、それ以上に生物と無生物の違いとは何か?という哲学の奈落の底にたたき落とされる感覚が怖かった。
映画「インターステラー」は重力の謎を解くために宇宙のブラックホールにつっこむ話でしたが、「酔歩する男」は重力と時間から開放されたいがために、脳の一部器官を壊してみたらタイムトラベルになったという話。
シュレディンガーの猫だとか、エントロピーが時間と共に増大するだとか、波動関数が発散したり収束したりなど物理学と量子力学をスルーしてきた自分にはちんぷんかんぷんでしたが、永久に時空のはざまで生きる恐怖はまさにホラーでした。
古本で買ったのは初版だったので、眼球だけという表紙絵でなんか呪われそう。
また読み返したいほど面白かったので、本棚に収めたいけど表紙が怖いです。
まあ確かに「眼球」はキーワードなんだけどさ。
新装版のオレンジの表紙の方が雰囲気があっていいなぁ。
そして「玩具修理者」が映像化されていたことにびっくり。さんざんなレビューを見ましたが、美輪明宏が玩具修理者「ようぐそうとほうとふ」の声というのは聞いてみたいです。美輪様の声で「すひーろうびーようゆーいぃーえいふいぃーえいふいぃーえいふ、あいめいがいにーどりーみーる、…」うわあ似合ってそう。
トレーラー見た限りでは、江戸川乱歩風を目指していたのかな?奥山和由だし。