古本屋で購入。
「竹田の子守歌」「手紙」「イムジン河」「ヨイトマケの唄」など、いわゆる放送禁止(要注意歌謡曲)はなぜ「放送されないのか」。歌手、テレビ局、民放連そして部落解放同盟へのインタビューを重ね、「放送禁止歌」というタイトルのテレビドキュメンタリー番組を企画、製作し放送した経緯を描く。
色々と歴代の放送禁止歌が歌詞共に紹介されていて、私の好きな「生活の柄」も放送禁止だったことにショック。サビの「浮浪者のまま」が放送禁止用語でひっかかったようです。歌に罪はないのになぁ。
前半は、そんな放送禁止の憂き目に遭った歌手、なぎら健壱、高田渡にインタビュー。
デーブ・スペクターとの対話も掲載されていて、アメリカの自主規制は暴力と性描写へのモラルのためで、日本は無自覚になんでも規制してしまう風潮にあることなど。
デーブって的確に説明できるんだと見直しました(失礼なっ)。ただの「セレブ解説者」と誤解されているよ、もったいないよ。
そして部落差別と結びつく「竹田の子守歌」(在所という歌詞が問題)の真相に迫る後半。「竹田の子守歌」の元曲が解き明かされる過程はすごい。部落差別だと通り過ごさず、中に飛び込んでいかないと真相というモノは明らかにされないんだと。なんでもそうですが、目を背けた結果が「放送禁止歌」の増長に繋がったことになったという事実がわかります。
目を背けないことだ。
いつかは消えるなどという幻想を僕は持っていない。でも見つめるだけで、きっと知らなかった以前とは何かが変わる、見て触れて聞くだけで、肥大した幻想は必ず崩れ落ちる。
この本の単行本が発売されたのが2000年、その後「イムジン河」も「ヨイトマケの唄」もNHKで放送されたのを見ました。この本の影響があったことを信じたいです。
竹田の子守歌
竹田の子守唄 soul flower mononoke summit - YouTube
ソウルフラワーユニオン好きなので、収録アルバム持ってました。
せつない守子唄なんだよね。
泉谷しげるの「戦争小唄」も歌詞が掲載されてますが、なんつー露骨な。でも世界が不安定になっている今こそ知る必要のある歌かも。戦争を客観視できるので。
2:00〜5:10あたりが戦争小唄。