夜空と陸とのすきま

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ライフ・オブ・パイートラと漂流した227日/Life of Pi

 

 

レンタルでBlu-rayを借りる。

アン・リー監督は、いつでも映像美にこだわって
スパイスの効いたストーリーで印象的な映画を撮るから好きな監督です。
なんて多才な人なんだろう。

今回も嵐の海、満天の星空、海洋生物の神秘など映像美は特に素晴らしく
やっぱり劇場の大スクリーンを見に行けば良かったと激しく後悔しました。

主人公のパイは、ヒンドゥー教イスラム教、キリスト教の3つを信仰する
宗教オタク?で、稲妻響き渡る雷雨になると「神がキター!」と喜んで
はしゃぎまくる純粋な少年。
結果的にそれが沈没する船から助かるきっかけに。

227日間の漂流を終え、なんとか太平洋を横断してメキシコ湾に漂着しめでたしめでたし。かと思えば、ヒリヒリするラスト顛末。
人食というキーワードで心をざわつかせます。
でも本当の真実はどうだったんだろう。

Amazonのレビューを読むと、メタファーの解説をたくさんしてくれている親切な人がいて、「虎が暴れて、オランウータンは脅え、ハイエナは狡猾で、シマウマは死亡フラグ」という解釈はなるほどと思う。ベジタリアンな主人公が、生きるために野性的になり、そんな自分と折り合って一生懸命戦いぬいた記憶だったということ。

つらい経験を物語にしてしまう深い映画だなぁ。

最後のセリフ
「生きることは手放すことだ。一番切ないことは、別れを言えずに終わることだ。」
が心に残りました。