夜空と陸とのすきま

SF好き SF小説1000本ノックを目指しています

読書【ノンフィクション】

禁足地帯の歩き方/吉田悠軌

怪談蒐集家、オカルト探偵の吉田悠軌による「開かれたあの世巡りの本」。禁足地、聖地、怪談現場すべてに掲載許可を取っているなど、緻密な取材は好感が持てました。特に離島の話は興味がありました。 怪談現場紹介では、昔通っていた大学近くの有名な怪談ス…

世界の危険思想 悪いやつらの頭の中/丸山ゴンザレス

危険地帯ジャーナリストの丸山ゴンザレス氏の浅く広くの新書。サブタイトルの「悪いやつらの頭の中」より、TV番組の中ではなかなか出せないゴンザレス氏の頭の中をのぞく感じ。ここ数日のTwitterトレンドに上がってくるのが韓国への悪意の塊だらけでつらいの…

間違う力/高野秀行

高野秀行10箇条 第1条 他人のやらないことは無意味でもやる 第2条 長期スパンで物事を考えない 第3条 合理的に奇跡を狙う 第4条…などをそれぞれの章タイトルにして、実際の行動を例に教えてくれる一冊。仕事が〜年金以外に2000万円が〜と悩んでばかりの日々…

イプシロン・ザ・ロケット 新型固体燃料ロケット、誕生の瞬間/西澤 丞

平成最後の日に家族と筑波の宇宙航空研究開発機構(JAXA)へ行ってきました。展示館「スペースドリーム」、あの規模のものが解説付きで無料見学できるのがすごい太っ腹!日本の宇宙開発に興味を持ってもらおうと、あの手この手で展示の仕方も凝っていてとて…

増補サバイバル!人はズルなしで生きられるのか/服部文祥

携帯電話やラジオ、登山用コンロにテントなど文明が作ってきた装備をできる限り持たずに、岩魚釣りや山菜採りをしながら山を縦断する。そんな「サバイバル登山」の第一人者である著者の単独登山のレポート。 若いころにこの本に出会っていれば、影響を受けて…

ヨシダ、裸でアフリカをゆく/ヨシダ ナギ

書店や古書店で「クレイジージャーニー」の出演者本を見かけては、ついつい買ってしまい、気が付けば結構な積ん読量。今月は積ん読消化強化月間として、しばしこの流れ続きます。 大人気の少数部族を撮る写真家ヨシダナギさんのブログ本。ブログだけあって、…

世界のシワに夢を見ろ!/高野秀行

ヤングチャンピオンに連載されたコラムのまとめの単行本化のちの文庫版。青年漫画雑誌だからか、高野さんかなりテンション高めな内容。 何か読むもの貸して〜と寄ってきた娘に渡したら、最初はゲラゲラ笑って読んでいたけど、下ネタエロネタが出てくるとすっ…

映画は父を殺すためにある 通過儀礼という見方/島田裕巳

宗教学にとってとても重要な意味合いを持つ”通過儀礼”。通過儀礼とは、人間が人生の重要な節目をむかえ、ある状態から別の状態へ変わっていく際に、節目を越えたことを確認する為に行われる儀式のことをいう。宗教学者である作者が、映画を”通過儀礼”という…

死に山 世界一不気味な遭難事故≪ディアトロフ峠事件≫の真相/ドニー・アイカー

帯と解説が『奇界遺産』の写真家、佐藤健寿さんだーと見事に釣られて手に取る。年越しまであとわずか、2019年初っ端のエントリーに「死」がつくタイトルなんてヤダァと、年賀状作成もぶん投げて読み終えました。頑張った。 1959年、ソ連のウラル山脈で起きた…

ロビンソン・クルーソーを探して/髙橋大輔

TBSテレビ『クレイジージャーニー』で、「ロビンソン・クルーソーを探して」、「浦島太郎の正体にせまる」の回で登場した〈物語を旅する男〉冒険家の髙橋大輔。 『ロビンソン・クルーソー漂流記』のモデルとなった実在人物アレクサンダー・セルカークの無人…

謎のアジア納豆 そして帰ってきた<日本納豆>/高野秀行

西日本海沿いの私の生家では、納豆が食卓に出ることは珍しく、祖母は絶対納豆を食べなかったし、給食に出る極小粒少量パックが納豆とのファーストコンタクトだったりしたけれど、まあ嫁いだ先の北国の納豆へのこだわりようったらびっくりで、正月は必ず納豆…

そこまでやるか!裏社会ビジネス 黒い野望の掟/丸山佑介

危険地帯ジャーナリスト丸山ゴンザレスさんの本名名義での出版。文が「です・ます」調なので、初心者向けに丁寧に優しく説明している感じ。でも途中で突然「だ・である」調になったりするので、大丈夫か校正と心配になりました。 体系的に説明したいと記して…

まぼろしの「日本的家族」/早川タダノリ(編著)

自民党がやたらと押し付けてくる三世代同居、サザエさん的な日本の家族とは。7名の著者による総ツッコミ検証。読めば読むほど確かにまぼろしに見えるけど、うちの家族がまさしくその「田舎の」「伝統的な」「家父長制的ヒエラルキー」家族モデルに当てはまっ…

蔵書の苦しみ/岡崎武志

昨年から暇をみつけては、googleのスプレッドシートで蔵書記録を付けていて、マンガを省くと大体600冊は蔵書があると判明。うち半分以上が積ん読。そんなに積ん読本があるにもかかわらず、月に何度も本屋と古本屋で本を買うので本棚がぱんぱん。この蔵書をい…

激震!セクハラ帝国アメリカ 言霊USA2018/町田智浩

文春連載の言霊USA第6弾の単行本は、ほぼほぼトランプでした。後半から#MeToo運動に発展したセクハラ騒動。私の大好きなケビン・スペイシーは雲隠れしてトンズラ、先日はモーガン・フリーマンもお・ま・え・も・かっ!と誠に遺憾であります。 そんな中で印…

「最前線の映画」を読む/町山智浩

町山さんの本は出版されるやいなや本屋にかけこんで購入していますが、どんどん出版されるのに読むのが遅いので積ん読が〜と嬉しい悲鳴。今月も新刊を2冊買ったよ。 さて、『「最前線の映画」を読む』は、ここ2年ほどの間に公開された映画の解説本。映画を観…

イスラム飲酒紀行/高野秀行

春休みは子供と南国に帰省してきました。桜は満開、早くも初夏の陽気で蚊も出てきてる。そして旅のお供は旅本がベストですな、というわけで高野さんのイスラム圏紀行文。厳密に飲酒を禁止されているイスラム圏で、執念の酒を求めるという、お酒なんてあるわ…

山怪 山人が語る不思議な話/田中康弘

フリーランスのカメラマンである作者が登山者、マタギ、山沿いに住む人々を全国津々浦々渡って取材をし、まとめあげた山の不思議話。オチもなく、タヌキかキツネに馬鹿されたなどなど、民話になる前の原型のような話がたくさんあり、想像力をかき立てられま…

壇蜜日記/ 壇蜜

暖かいですねといえど、夜は寒いので油断できない。週末には雪、雨、晴れのマークが一日のスペースに押し込まれ、狭そうにしていた。結局「降るかもしれないし降らないかもしれない」と言いたいのがよくわかった。 2014年2月25日の日記、まるで今日の天気の…

世界を見てしまった男たち 江戸の異郷体験/春名 徹

BRUTUSの「危険な読書」特集で探検家の角幡唯介氏が対談で紹介していた本。もう出版社に在庫無しだったから、面白そうな本だけど入手できないかなと思いつつダメ元でBOOKOFFに出かけたらありました。これは速攻読めということね!神々しく光って見えたよ。Am…

怪魚ウモッカ格闘記インドへの道/高野秀行

海の向こうに浮かぶタージマハルが蜃気楼のように見える意味深な表紙、インドへの道という副題。 高野さん、インドに謎の怪魚を探しに行きたい!行かせて!というノンフィクション。なんだよ、結局インドには行けないのかよとガッカリですが、入国審査に引っ…

解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯/ウェンディ・ムーア

コミックス「決してマネをしないでください」(蛇蔵/講談社)に登場したジョン・ハンターが強烈すぎて、もっと読みたくなり書店で購入。 18世紀イギリス・ロンドンの外科医であり、奇人鬼才博物学者ジョン・ハンターの生涯を描く。天才的な解剖の腕を持ち、…

怪獣記/高野秀行

トルコ東部のワン湖で謎の巨大生物ジャナワールの真実に迫るノンフィクション。ネッシーみたいな怪獣がいるというオカルトな情報を元に、とにかく現場に行ってみようと、フットワークも軽く飛行機に飛び乗りトルコで突撃取材を敢行。個性的なガイドと運転手…

幻獣ムベンベを追え/高野秀行

仕事で疲れ果てて、ヨボヨボと蒲団に潜り込み、文庫本をひらいて高野さんにアフリカのコンゴへ連れて行ってもらう秋の夜長。最高でした! さて、サブキャンプへ向けて出発である。空は晴れ渡り、綿をちぎってばらまいたようなふかふかした雲が青の中に浮かん…

読書で離婚を考えた/円城塔・田辺青蛙

夫婦でお互いに本を勧め合って、読書感想文を交換しあえば、いまよりもっと相互理解が進み、仲良くなるのでは? SF作家の円城塔とホラー作家の田辺青蛙の夫婦読書リレー。 夫婦でお互いにオススメの本を紹介しあう!なんて怖いことをっ!うちなんて、旦那さん…

アヘン王国潜入記/高野秀行

高野さんビルマへ行き、反政府ゲリラの支配地でケシ栽培を手伝いアヘン中毒になるというルポタージュ。1995年のビルマの話なので今から20年も前ですが、学生だった自分も同時期に中国雲南省近くまで旅したことがあり、あの山々の先にこんな無法地帯があった…

実況中継 トランプのアメリカ征服 言霊USA2017/町山智浩

珍しく発売当日に本屋でゲットした町山さんの新刊。週刊文春連載の「言霊USA」単行本第5弾で、2016年3月〜2017年2月までの連載まとめ。前半はヒラリー勝利確定な雰囲気だったトランプ前の世界のビフォアー、そしてまさかのトランプ大統領誕生しちゃったトラ…

謎の独立国家ソマリランド/高野秀行

アフリカ大陸北東部、アフリカの角と呼ばれる地域に位置するソマリアは、現在、壮絶「北斗の拳」状態の戦国南部ソマリアと、海賊プントランドと、奇跡のハイブリッド民主主義国家の「ラピュタ」ソマリランドにわかれている。なぜ内戦が続く不安定な地に、突…

移民の宴 日本に移り住んだ外国人の不思議な食生活/高野秀行

録り溜めた深夜テレビ番組「クレイジー・ジャーニー」をひたすら見て消化しているこの頃、高野秀行氏もその番組で知りました。番組内で「ちっとも本が売れない」とぼやいていましたが、この人の本すんごく面白いよ!某百田氏の本よりこういう本がベストセラ…

最も危険なアメリカ映画/町山智浩

「ハリウッド映画から見る、アメリカの病理」ということで、映画評論家町山さんによる、本当は怖いハリウッド映画本。 正直、知らない映画ばかりだったし、映画の紹介よりも、差別!差別!なアメリカの深い闇に (((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブルしながら読みました…