夜空と陸とのすきま

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海獣の子供

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長文打つならスマホよりキーボードのほうが得意なんだけど、なかなかPCの前に座れないな(娘っ子がYouTube見てるから)と言い訳してたら日数がどんどん経過していた。
上映期間終了間際で見てきましたアニメ映画『海獣の子供』。

6年かけたという、アニメーターが全力で描きあげた映像がとても綺麗で美しすぎて、どこまでも描き込むんだな、すごいなとびっくりしました。

五十嵐大介氏の作品はそれこそデビュー作のアフタヌーン誌掲載の時から読んでいてめちゃめちゃ大好きなので、今回は期待値をMAXまで上げすぎてしまい、劇場では「そうじゃないそうじゃない」と呟くめんどくさい観客になってしまいました。

あの“誕生祭”の描写は、海と宇宙が繋がっていく衝撃、原作アナログ原稿の黒一色だからできたモノクロの勝利だったんだなぁと。アニメのものすごく綺麗なカラー画だと、青い海〜はいここからカラフルな宇宙〜って場面が変わっていくのが一体感をかき消してしまい、一番の盛り上がりで変に気持ちが冷めてしまいました。なんか『2001年宇宙の旅』のスターゲート・シークエンスみたいだった。

原作のアル中母さんの海女さんだった過去のエピソード、最後(デデそっくりになる)年老いた琉花の語りで終演するのは、海と母体が紡いでいく「命の物語」として壮大な大河になったので、映画でもそうであって欲しかったです。しかし2時間枠で収めるために、エピソードをしぼって「琉花の成長物語」にしたのは理解できました。

パンフレットに載っていた映画評論家の添野知生氏の寄稿がとても良かった。『パンスペルミア説』っていう言葉を覚えた!