夜空と陸とのすきま

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人形つかい/ロバート・A・ハインライン

人形つかい (ハヤカワ文庫 SF 217)

秘密捜査官サムと同僚のメアリ、おやじ(オールドマン)の3人はレジャー旅行中の一家になりすまし、アイオワ州のUFO不時着事件を調査するが、アイオワ州周辺はすでに侵略者から占領されていた。人間を思いのままに操る能力をもつ恐るべき侵略者に対し、人類に勝ち目はあるのか?という侵略SFの古典。

人形つかい」というと『攻殻機動隊』を即座に思い出しますが、こちらは元祖人形つかい。正体不明の敵に人間がハックされるのは一緒。

木星の衛星タイタンからはるばるやってきたスライム状の寄生虫は「ナメクジ」と表現され、人間の背中にくっついて操るのです。取り付かれると誰が敵で味方だかわからない!ということで、緊急の対策として全員パンツ一丁になりなさい<上半身裸体計画>を発動。その後、実は下半身にも隠れていたので全員すっぽんぽんになれ<日光浴計画>と、アメリカンに陽気で明るいSF。笑った笑った。ちなみに日本人は平気で着衣を脱ぐせいでナメクジの侵略から助かったそうです。なんだかなー(元軍人ハインラインには褌姿の日本兵ってイメージがあるのかも)

いざゆかん、敵の殲滅に!殺せ殺せという勇ましいラスト(映画『アルマゲドン』のような)も、ハインラインタカ派っぷりが見受けられます。

ハヤカワ文庫SFの旧版表紙絵は加藤直之氏。謎多きヒロイン赤毛のメアリが手に持つ花はアングレカムかな?花言葉は「いつまでもあなたと一緒」なのでとても意味深。
なのに新版の表紙絵はどうしてこーなった?(なんかイメージ違う…)

人形つかい