夜空と陸とのすきま

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時間線をのぼろう/ロバート・シルヴァーバーグ

時間線をのぼろう【新訳版】 (創元SF文庫)

ベンチリイ装置の開発により、過去への時間旅行が可能となった未来。時間局の新米時間観光ガイドのジャドは、今日も観光客と共に過去のビザンティウムへ旅に出る。ある日過去の旅で出会って恋した絶世の美女はジャドの大大大大大……おばあさんだった!というお話。

タイム・パトロールが出てくるのですが、「劇場版ドラえもん」で育った世代にはおなじみの組織。この『時間線をのぼろう』は1969年出版なので、藤子不二雄氏は影響を受けたのかしら。

時間旅行でアクシデントが起き、修正しようと躍起になるとタイムパラドックスがどんどん出現、収拾がつかなくなっていく最後の加速は読み応えありました。
全ては発情期の動物みたいな若き主人公の奔放さ、ドラッグによる情緒不安定などなどが原因では?と、あまりにも倫理観の欠如にびっくりですが、まあ性の解放・ドラッグ解放というヒッピー全盛期の影響もあるのかも。この大大大大大……おばあさんであるご先祖様もエロ過ぎる。

西洋と東洋の中間地にあり、ペルシア、マケドニア匈奴、ローマ、オスマンとあらゆる国家民族が支配を繰り返し、コンスタンティノープルやイスタンプールと名を変えてきた不滅の都市が舞台であって、歴史ロマン満載。西洋史のよき復習になりました。(かなり混乱した…)