夜空と陸とのすきま

SF好き SF小説1000本ノックを目指しています

禅<ゼン・ガン>銃/バリントン・J・ベイリー

禅銃(ゼンガン) (ハヤカワ文庫SF ヘ 3-1) (ハヤカワ文庫 SF (579))

 

新年あけましておめでとうございます。ブログ6年目になります。そしてジャスト400回目のエントリー!続くなぁ。
今年もSFをじゃんじゃん読んでいくよー!

 

さて、年明け一発目は猪が出る小説を探したけど本棚になくて、猿が出る小説。2年前のお正月もベイリーの「ゴットガン」を読んでいました。

 

最強の僧兵<小姓>が甥っ子の審美庵とともに、伝説の銃<禅銃>を手に入れたエテ公に恩義から従って旅をする。そこで惑星の反乱の鎮圧に赴いた銀河帝国艦隊と反乱軍、海賊との大騒動が起こるワイドスクリーン・バロックというお話。

純人間が激減していて、知恵を持った動物達が多数派の、どうぶつの森状態銀河帝国艦隊。豚とか象とかペンギン村?アンパンマンのモブ?みたいな、ここまでファンシーな銀河帝国も珍しい。

さらに最強の戦士<小姓>、鎧姿に重武装、常に物静かに坐禅を組む。このキャラは本当にかっこいいですよ。拘束されて危機に瀕している甥っ子の審美庵に向かって

「それは心の鍛錬がたらんからじゃ」

「これはそなたの精神の柔軟性をためす千載一遇の好機と思え。<小姓>となる修行の上で、これはよい試練となるであろう」

とか言ってサラッと見捨てていくの。ベイリー風日本の武士道最高です。

時空の後退理論と、禅問答の「動靜一如。靜なるもの、動くは如何?」をかけているあたりは上手いこと言った!でもよくわからんって感じでした。後退理論のとこ、長くて難しくて読み飛ばしてもうた。

 

新装版の表紙は、武士と猿と豚が登場するのでSF西遊記みたいなアレンジの表紙ですが、以前のはもっとエテ公で黄色いオーバーオールに木製の銃と小説の記述に忠実。そしていかがわしいあかんSFオーラー満載で、こちらの方が好きですね。

禅銃(ゼンガン)

では、本年もつたないブログを宜しくお願い申し上げます。