夜空と陸とのすきま

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七人のイヴⅡ/ニール・スティーヴンスン

七人のイヴ ? (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

月が7つに分裂し、無数の月の破片の落下<ハード・レイン>がいよいよ始まる。宇宙ステーションを核とした<クラウド・アーク>に逃れた人類は1500人。襲いかかる困難の数々、そして内部分裂、はたして人類は生き延びれるのかー近未来宇宙開発ハードSF大作、第2弾。

いよいよ到来の<ハード・レイン>で地球上の人類は滅亡するのですが、Oh!70億人が一瞬で消滅ってすさまじい。逃れられない死を迎えるため、ノートルダム寺院フィルハーモニー管弦楽団の生演奏を聴きながら死んでいくなんて、タイタニックみたいでせつない。

軌道力学の知識がないので、想像しにくいところもあったけど、わからない箇所はすっとばす。

Facebookが宇宙ではSpacebookになって、やっぱりSNSでわいわい言ってるのが面白い。

資源を新たに追加する奇跡のミッションを乗り越えても、技術者でない政治家がかき乱して内部分裂、宇宙放射線によるガン発病、重なるアクシデント!さらに食糧不足とくれば最後にやっぱり出てきた○○、エグイ…。いやはやハードでした。第三巻ってどうなるんだろう。

登場人物で唯一の日本人がジロー・スズキ君で、フクシマで汚染除去を管理していた原子力技師という設定がいやはや、SF小説では日本=フクシマって鉄板になりそうですね。

濃密さは1巻目以上で、私のショートした脳が導いたひらめきは、「そうか、イチロー選手がイチロー・スズキだからジロー・スズキか」。どうでもいい。