夜空と陸とのすきま

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七人のイヴⅠ/ニール・スティーヴンスン

七人のイヴ ? (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

突如、月が7つに分裂し、その月のかけらがやがて衝突を繰り返し、2年後には無数の隕石となって地球に落ちてくると判明する。その結果、5千年は続く灼熱地獄が起こり、地球上の全てが不毛の地となるだろう。人類の種を残し、宇宙に避難するため各国政府は協調し、国際宇宙ステーションを核とした「方舟」を作ることになるが…というお話。宇宙ステーションのロボット工学者ダイナと、地球で科学啓蒙家として人気の天文学者デュボアを軸に話が進む。

全三冊で完結の予定だそうで、一巻目は宇宙ステーションの増長目指して各国がロケットをバンバン打ち上げ、ひたすら登場人物が増え途中でわからなくなりつつも、人類全滅まで2年のカウントダウンから1年目で終わるので地上の混乱もまだまだ少ない状態。これが二巻目には阿鼻叫喚の混乱が始まるのかな。

カウントダウンにスリルがあり、綱渡りな状態の描写が上手い。それも作者の科学的検証がしっかりしているからリアルに感じる。ちょっと言い回しが長いとこもあるけれど。

「七人のイヴ」ということは、これから七人の女性が主役になっていくのだろうか。

主人公ダイナはダクトテープ片手に仕事に励む頑張り屋、よく出てくるアメリカンジョークは意味不明だけど、プロフェッショナルでさばさばしたポジティブな女の子なので、悲壮感を感じられず読めた。

2年後に絶滅という事態、私なら家にこもって蔵書をひたすら読みふけるか、故郷の海辺の街に帰るか。でも流通止まって飢え死にしそうだ( ̄▽ ̄;)

この事態に株が暴落するのはわかるけど、飛行機が普通に飛んで、ホテルのスイートなど運営が続いているのが謎でした。

まあ、細かいことは置いといて、続きに期待です。