夜空と陸とのすきま

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冷たい方程式/トム・ゴドウィン他

冷たい方程式 (ハヤカワ文庫SF)

1950年代のSFを中心に組まれたアンソロジーで、表題作含む9編の短編を収録。

『冷たい方程式』は訳者あとがきによるとSF"五大名作短編”のうちのひとつだとか。私は山本弘著の『ビブリオバトル部』の空ちゃんが熱く語っていたなぁと手に取りました。ハヤカワ旧版から30年ぶりの新訳版です。

 

『冷たい方程式』トム・ゴドウィン
ギリギリの燃料しか積んでいない緊急発進艇に少女の密航者が。密航者は発見しだい船外破棄処分という冷酷な規則があり…というお話。密航者が男だったら速攻1分以内に宇宙空間に放り出すとか言っているのに、美少女だとなぜ悩む。そんなパイロットもどうかと思うが(どちらも同じ人間でしょうが!?)まあ淡々と進んでいくところが逆に心に残る話でした。「冷たい方程式の中の余分な因数にすぎない」って表現がすごいよね。

 

『徘徊許可書』ロバート・シェクリイ
珍しく調査官がわれらの星にやってくるよ、ちゃんと地球植民地だと証明しないと。犯罪のない平和な星で地球らしく強盗殺人をしろと命じられ、往生する人々。こういうSFブラックコメディは好きです。

 

『みにくい妹』ジャン・ストラザー
二人の義姉が語る「シンデレラ」の真実とは!面白い。ジェンダーの視点からみても面白い。

 

『危険!幼児逃亡中』C・L・コットレル
これは『AKIRA』のキヨコ25号だよな〜と思いながら読みました。幼すぎてコントロールがきかない超人的殺人的超能力を持つ少女とのバトルホラーでいいのかな。

『ハウ=2』クリフォード・D・マック
男:AIが俺らの仕事を奪っていくなんて脅威!
AI:そんな、ご主人様は何不自由なく人生を楽しんでください、私が稼いだお金は振り込んでおきました。私はそのために創られました。
男:おまえまじ神

というちょっと前にTwitterでみかけたつぶやきと同じ。(あ、オチ言っちゃった…)