夜空と陸とのすきま

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世界を見てしまった男たち 江戸の異郷体験/春名 徹

世界を見てしまった男たち―江戸の異郷体験 (ちくま文庫)

BRUTUSの「危険な読書」特集で探検家の角幡唯介氏が対談で紹介していた本。もう出版社に在庫無しだったから、面白そうな本だけど入手できないかなと思いつつダメ元でBOOKOFFに出かけたらありました。これは速攻読めということね!神々しく光って見えたよ。Amazonのリンク貼ったら変に画像が汚いけど…。

江戸時代は鎖国体制のため海外渡航は即死刑になりますが、この本は船が遭難〜漂流して海外に偶然出てしまった、偶然異国を見てしまった人達が紹介されています。漂流したのは漁師よりも江戸に商品輸送する商船の乗組員が断然多いらしく、小型の和船は荷物を沢山積んでいるため吃水が深く、大きく折れやすい舵、さらに暴風にさらされると沿岸に出ないように船柱を折る風習があったため、結果的に操縦不可能になり漂流してしまうという欠点だらけ。そして遭難すると船の進行方向をおみくじで決める、食料などの話し合いもおみくじで決めて神の意志を尊重。あまりにも非科学的すぎて泣けてきます。命かかっていることを占いで決めるしかないってあんまりだ(^^;)

木のない無人島に漂着し、何年も何年も流れてくる材木を拾い集めて船を作りあげ、なんとか脱出する無人島漂流物語が面白かった。後半に出てくる漂流して異国にたどり着いた漁師が、日本に開国を迫る黒船に乗せて貰って帰国を図ろうとするも、砲弾を受け追い払われる話もせつない。それでも異国で通訳になって結婚して子供作ってと、たくましく生き抜いていくのがすごいなと思う。