夜空と陸とのすきま

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宇宙の操り人形/フィリップ・K・ディック

宇宙の操り人形 (ちくま文庫)

時系列順に読んでいるディック作品ですが、これは古書店で見つけることができず、結局ネットでポチりました。珍しくちくま文庫から出ている初期の中編SF。ちょっと初期作品に戻ってみる。

子どもの頃に住んでいた山間の田舎町ミルゲイトへ行ってみたら、そこは自分が覚えていた町ではなかった!というお話。町がバリアーによって一般道から隠されていたり、果ては善と悪の神様の戦い(ゾロアスター教みたい)へと繋がったりと、SFとファンタジーの間をいったりきたり。お話の導入部分は、自分の記憶は偽の記憶なのかという主人公のぐらぐらする揺れ間がたっぷりと味わえて、これぞディック節で面白い。けれど神々が戦う後半は、お話がよくわからないまま終わってしまい残念。

前半の部分、私の脳内では↓だいたいこんな感じでしたよ。

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