夜空と陸とのすきま

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読書で離婚を考えた/円城塔・田辺青蛙

読書で離婚を考えた。 (幻冬舎単行本)

夫婦でお互いに本を勧め合って、読書感想文を交換しあえば、いまよりもっと相互理解が進み、仲良くなるのでは? SF作家の円城塔とホラー作家の田辺青蛙の夫婦読書リレー。

夫婦でお互いにオススメの本を紹介しあう!なんて怖いことをっ!うちなんて、旦那さんとホントに趣味あわねーよ。映画も音楽も読書の好みの傾向もばらばらよ。「この本面白かったよ、絶対読んで!」なんて言ったら「嫌だ」と即答されるよ。

ああ、でも2人とも作家さんなのか、同業者ならどんな風になるんだろうと興味本位で読みました。結果、やっぱり同業者でも話がかみ合わないという、本の世界って大海みたいですね。

タイトルがとても際どいですが、内容はそんなに殺伐としているわけでもなく、読書リレーをすすめていくうちに、妻の方が夫に嫌われているのではと不安感を伴い、離婚届の夢を見たということでした。

そしてこの唐沢なをき氏の表紙絵がとても好き。本書を最後まで読むと、「溺れていくカエルの妻」がとても奥深く感じられて上手いなぁと。さらに夫婦に対する愛情もいっぱいね。

読書リレーということで、色々と本を紹介してますが、読んでみたいなと思ったのは吉村 昭の「羆嵐」くらい。それよりも、予想以上に円城氏の人間味がさらけ出されていて、そちらの方が印象的でした。

本の趣向が合わなくても、お互いが面白いと思えていて気遣いがあって、良い夫婦ですね。理解するんじゃなくて、違いを認め合うのが大事。