夜空と陸とのすきま

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地球の長い午後/ブライアン・W・オールディス

地球の長い午後 (ハヤカワ文庫 SF 224)

 


これから数十億年後の未来は、次第に太陽が膨張し始め、地球上の水分は蒸発し、砂漠化するかもと言われているそうです。子どもの頃に本でこの事実を知って、怖いけど私の生涯に関係なし、でも怖いという不思議な気持ちになりました。

この物語は遠い未来、太陽が膨張し始めた結果、地球には激しい太陽光と放射線が降り注ぐようになり、地球の自転は止まり、植物は異常な進化を遂げて地上を覆い尽くして、人類は1/5ほどのサイズに縮むという設定。放射線あびると大きくなったり小さくなったりホントにするのかな?

そして生き延びた人類は、ジャングルの樹木の上で猿のように群をつくってひっそりと暮らしています。木上生活に逆戻りしてしまうのですね。

風の谷のナウシカの元ネタという話を聞いたので読んでみましたが、菌や胞子の腐海が巨大なジャングルになった感じ。ナウシカの「森の人」というよりは、ターザンに近いかも。獰猛な植物と虫たちの攻撃をかわしながらのサバイバル、登場人物もどんどん死んでいきます。平均寿命がとにかく短い。

どこまでも飛んでいく綿毛系の植物とか、月まで届く長い植物など、途方もない世界観は面白かった。主人公はキノコに脳みそを乗っ取られかけている少年ジャンプ系の猪突猛進な少年で、防御のために木の実を着ています。寝るときは木の実が邪魔でうつぶせになれません。想像するとこんなん?

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この少年を含む人間関係がいまいちのれなくて、惜しいなと思いました。