夜空と陸とのすきま

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翼を持つ少女 BISビブリオバトル部/山本弘

翼を持つ少女 BISビブリオバトル部

 

第3作目にあたる「世界が終わる前に」を読み終えた後に、娘が興味を持って1作目の「翼を持つ少女」を図書館で借りてきてくれました。「この『同人誌』って何?」「『BL』って何のこと?」など、おおぅと思わずかまえてしまう質問を私に投げかけながら凄い勢いで読む娘。なんでも登場人物が本や作者について熱く語るシーンはわけわかんなくて全部すっ飛ばしたそうです。まだ小学生だしね。でもこんな厚い熱い本を読めるようになったんだなぁと母はしみじみ。「お母さんが前に読んでた『ここはウィネトカならきみはジュディ』と『惑星カレスの魔女』が出てきたよー!どんな話なの?」と聞いてくれました。そこの本棚にあるから自分で読みたまへ。

さて本作はSF大好き空ちゃんがビブリアバトル部に入部して、初めての参戦、そしてリベンジ戦という流れのお話。空ちゃんのいじめを受けた過去のエピソードから、ネットウヨまでてんこ盛りの内容。山本氏の知識量すごっ、さすがト学会さんという感じでした。それぞれの登場人物が山本氏の分身に見える。「ビブリアバトルは楽しくなくちゃ」という結末に持っていけたのは良かったと思います。

武人君のお祖父様遺品のSF本オンリー書庫って、ホント羨ましい。自分も平均寿命に達するまでには書庫一つ分SF本を揃えてそうで怖いんですが、「本は人類発明史上最高のものであり、最悪の家具(by荒俣宏)」とはよく言ったもの。でも電子書籍は好きになれないんだよね。困ったな−。