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本棚の隣で針仕事

雪国在住。積ん読本と図書館通い、 録画した映画、買いためた布や手芸用品をどうするかの記録。

年月日/閻連科

年月日

 

「愉楽」の閻連科の中編。私は閻連科の作品を読むのは初めてで、どんな作風の方なのか知らなかったのですが、これはじわじわくる良作でした。

日照りが続き、村人たちが逃げ出した山間の村で、盲いた犬とトウモロコシの苗を守る先じいのお話。「」(かっこ)を使わないので、全体が「星の王子様」みたいな寓話的な雰囲気でした。

子どもの頃に読んだ漫画で、さいとうたかおの「サバイバル」というのがあって、壊滅した都市で1人生き延びた主人公がサバイバルしながら野犬とネズミと戦うという話で、その怖さがトラウマになってしまい、ハムスターを可愛いと思えなくなってしまったのを思い出しました。この「年月日」の先じいもサバイバルしながらネズミやオオカミと戦います。ネズミの集団怖いっ!逆にとって食べちゃう先じいもすさまじい。

トウモロコシの水分補給にションベンをかけたり、ネズミと戦ったり、先じいは饑餓で命つきる前に衛生面で病気にならないのが不思議。でも始終ギラギラした砂漠のような環境の中で、綱渡りのように細々と育つトウモロコシの繊細なところが印象に残ります。相棒の犬とのお互いの思いやりも泣けます。文字通りの一蓮托生。