夜空と陸とのすきま

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カエアンの聖衣/バリントン・J・ベイリー

 

 

 

カエアン製のスーツを着ると宇宙最強になれる。そんな超レアなスーツを求めてザイオードの密輸貿易業者達は難破したカエアンの宇宙船にたどり着くが…。さらに宇宙では巨大宇宙服を身に覆うロシア人のソヴィアと、サイボーグとなった日本人ヤクーサ・ボンズとの対立が続き…などとすっちゃかめっちゃかなアイデアをこれでもかと詰め込んだ英国ワイドスクリーン・バロックの傑作。

 

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想像力が乏しい私は、こんなイメージで読み進めていました。ロシア、巨大なスーツといえば映画「パシフィックリム」のチェルノ・アルファだろう。ヤクザ坊主って僧兵?そして表紙絵のイメージからカエアンのスーツは映画泥棒風と言った具合です。

世界中のクリエイターに多くの影響を与えたSFなんだそうで、今はこうして影響を受けた副産物で脳内再生できますが、78年の発表当時はなんじゃコリャだっただろうな。

服を着ると強くなる。

誰かのエッセイで、高い肌着を身につければ女が上がる、見えないとこで金をかけれなどと書いてあったのを思い出しました。自分、しまむらオンリーですけどね。でもいい服を身につければレベルが上がったような気になれるのは確かにあるね。主人公がカエアンのスーツを脱ぐとヘロヘロになり、砂糖を貪り食うところなんて笑えました。

衣装カルトのカエアン人の描写も、凝りに凝っていて楽しかった。流行がなく、自身のこだわりの衣装を身につけるカエアンが少し羨ましいです。

最後はスーツを農産物の様に産み出す惑星まで出てきます。もうどんだけー