夜空と陸とのすきま

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不思議のひと触れ/シオドア・スタージョン

 

 

不思議のひと触れ (河出文庫)

不思議のひと触れ (河出文庫)

 

  

図書館で借りて読んでいる最中に、一箱古本市で中古本をゲットして、また最初から読み返していました。河出書房新社奇想コレクションはホントに素晴らしいですね。 このアンソロジーは特に良かったなぁ。せつなくなったり、笑い転げたり忙しかったです。特に印象的だったやつだけ感想を書きます。

☆もうひとりのシーリア
乱歩の「屋根裏部屋の散歩者」っぽい感じ。主人公がのぞきで変態だ!変態だ!と思っていたら、のぞかれた方が変態するんですよ。ちょっと最後は可哀相だった。

 

☆影よ、影よ、影の国
継母にいじめられている男の子が影絵(影の国)に逃避する話。この男の子の心理描写がすごく上手で、スタージョンも幼少の頃は影の国にいりびたっていたのかしらと想像しちゃいます。

 

☆不思議のひと触れ
少女漫画…ちがうな、このロマンティックさはアフタヌーンとかIKKIあたりで男性漫画家が描きそうだな。 男女の出会いにSF要素をからめるなんて、きまぐれ☆オレンジロードみたい。まつもと泉先生の絵柄でさー。(古くてすみません)

 

☆ぶわん・ばっ!
小説で味覚と音楽の表現って一番難しいと思うのですが、このジャズの音の表現力ってすごいですよ、オノマトペの限界をみた。

 

☆タンディの物語
スタージョンの子供をモデルにした話。この続きを順繰り子供達でシリーズ化するつもりが離婚しちゃったらしい。子育て小説としてこれが一番面白かった。親に隠れて自分だけの秘密基地を作る話。スタージョンは自分の世界に籠もるという話が上手。

 

☆閉所愛好症

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引きこもりのオタクな僕の元に可愛い女の子がやってくる話はともかく、キャラ立ちが魅力的だったのです。