夜空と陸とのすきま

SF好き SF小説1000本ノックを目指しています

時間のかかる彫刻/シオドア・スタージョン

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いやー2月は本当にしんどかった。仕事終わって家事がすんだら、もうよぼよぼそのままベットに倒れ込んだ日々。これが鍋の中の昆布状態というやつね。2月後半少し楽になり、このスタージョンの短編集がなんとか読めました。文字が文章が五臓六腑に染み渡る…灼熱の砂漠でようやく水を得た気分。ブラックで、救いようがなくて、突き放すようなラストばかりなんですが(そしてSF作家なのにSFじゃないのものばかり)でもビートニクな雰囲気もあって、クールで好みでした。男女関係をモチーフにした話が半分くらい、どれもさよならだけが人生だ、あばよって感じ。シビれるぜ。

最初の中編「ここに、そしてイーゼルに」だけは、妄想が激しくほんまにわけわからんかったです。解説によると、この作品だけ書かれた時期が違うし毛並みも異なるので最後に読むのをオススメするとか、では最後に再編してくれよう。初っ端から挫折するとこだった。

1番好きなのは「フレミス伯父さん」。政治家やアーティストなど世界のトップを[直す]おっさんの話。ややスピリチャル感漂うけれど、甥っ子である主人公のあほボンっぷりが緩くていいわ〜。他のスタージョンも読みたくなりました。