夜空と陸とのすきま

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フィリップ・K・ディック短篇集〈2〉ウォー・ゲーム/フィリップ・K・ディック

 

 ディック50年代の短編集。今年は積ん読ディックを読むぞと決めて、まだ50年代…。初期から読み進めていますが、山頂は遠いな〜。

絶版となっているちくま文庫版の短編集は<1>が入手できてなくて、この<2>もいつ買ったのかまったく覚えていないんだが、裏には土浦の古書店のネームラベルがついている。土浦なんて行ったこともないんだけど。しかも謎のレシートと知らない福岡の人の名刺も挟まっている。誰だろう?不思議不思議。でもそんな不思議がぴったりと合う幻想的な本なので、また挟めておきます。

妻がリンゴを食べたらリンゴの木になった「萎びたリンゴ」。これはコミック「千年万年りんごの子」!?

戦争で荒廃した地球を取り戻すため、タイムスリップして戦闘ロボットの開発者から設計図を奪う「ジョンの世界」。これは映画「ターミネーター2」!?

などなど、いつでもディックの短編集はデジャウ感を誘ってくれますが、50年代ですでにこれだけのSF的アイデアがあったんだと本当に感心してしまう。幻想小説っぽいのが多かった短編集ですが、夜寝る前に1編だけ読むというにはもってこいでした。