夜空と陸とのすきま

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街場のメディア論/内田樹

 

 

街場のメディア論 (光文社新書)

街場のメディア論 (光文社新書)

  • 作者:内田 樹
  • 発売日: 2010/08/17
  • メディア: 新書
 

 前回、村上春樹本の感想を書いたら、今まで見たことのないアクセス数がありました。あらためて村上ネームバリューすごっ!小心者なので数百アクセス越えただけでガクブルです。初めましての方、☆をつけていただいてありがとうございます。

さて先月のCREA9月号「本とおでかけ。」特集が気になり、めずらしく雑誌を購入。紹介されていた本の中で、一番気になったのが内田樹釈徹宗 の「現代霊性論」。
買って読んでみたら面白くて面白くて、他にも読みたくて内田樹を図書館で検索して借りてきました。ちょっと辛口で知的好奇心を刺激して読みやすいです。著作いっぱいあるー、ああ人生あと3回ほどやりたいわ。時間全然足りんわ。

こんな面白い講義があるなんて羨ましいぞ神戸女学院大学

私も講義を聴いているつもりでノートに要点をとりながら読み進めてみました。楽しい。

確かに学者先生らしく、著名理論で社会を読み解く展開、正直「そうはいっても現実はさー」「いやいや極端だな甘いかも」とやや思ったりもしましたが(著作権については特に)、社会人になって世間にもまれる前に基礎としてこういう贈与論思想やコミュニケーションの本質理解が根っこにあると、人生大分違ってくると思う。

そういう意味で羨ましいぞ学生。

「何故既存のマスメディアが衰退しつつあるのか」というテーマにテレビや新聞、出版の不調を論じていますが、それも面白かったけど一番は第6講の「読者はどこにいるのか」の本棚についての記述。

電子書籍の弱点は書棚に配架できないこと。

『私はこれらの本を読んでいる人間である』ということを人に誇示することもできないし、『私はこれらの本を(いずれ)読み終えるはずの人間である』と自分に言い聞かせて、自己教化の手がかりとすることもできない。


この「本棚は人間関係を取り結ぶために有益な情報を提供する」というのは確かにそうかもと思えました。積ん読上等!そこに目指すべき自分が見えるから。本棚は自分の見栄っぱりの集合体です。

だから出版社も流行っているからってなんでもかんでも写真集にとりあえず「世界でいちばん〜」とつけるべきでないと思う。私の本棚の写真集の棚に背表紙「世界でいちばん〜」が並ぶなんて絶対嫌です、こっ恥ずかしいしダサい!売ろうとする必死のタイトルがドン引きです。そこを解って品格を持って欲しいな(^_^;)中身はいいんだからさ。