夜空と陸とのすきま

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ゴーレム100/アルフレッド・ベスター

 

 

ゴーレム 100 (未来の文学)

ゴーレム 100 (未来の文学)

 

 

 

図書館で借りる。

美術の世界の「ネオダダ」を知った時に、反芸術ですっちゃかめっちゃか暴れるのは、もう一昔前にやっちゃったんだな(´・ω・`)と思ったものですが、この作品もそれに近くて、1980年出版でここまでの破壊力、最高にぶっ壊れたゲスな(褒め言葉)SF作品「ゴーレム百乗」。トリップ中の描写が記号・イラスト・文様・インクのシミ・楽譜などを交えた表現で、かなり実験的な小説。文字遊びやフォント、セリフの壊れっぷりも強烈ぅうう(ジョジョ風)

22世紀アメリカのスラムが舞台。富裕層の暇な8人のレディ達が遊びで悪魔召喚したゴーレムが起こす惨殺事件が続発。有能科学者シマ、美人精神工学者グレッチェン、敏腕警察官インドゥニの3人が謎を解くため、集合的無意識の核を乗り越えサブリミナルな世界に向かうという話。

解説の山形浩生さんと訳者あとがきのテンションもあげ↑あげ↑。
訳者の方の体力もそうとう消耗したかと。読んでた方も消耗が激しかったです。
とにかくエロい。それも愛を育むとかロマンスじゃなくて、野性的な性欲爆発☆
中盤までの2回目のドラッグ使用フェズマ界トリップまではわくわくする展開で面白かったけれど、終盤はもはやついて行けず、疲労困憊で読み上げました。(だって女王ボスが崩壊する様が句読点なしで10ページ以上続いたりするんだもん)最後は原始の女に戻れというジェンダー発言まで。この精巧に組み込まれた物語は、もう一度読まないと意味解らんわと思ったけれど、体力がついていけず。バロウズデビット・リンチを体験してからいつか、いつかリベンジ!

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「冒険心なくしちゃったの?」

「勇気をなくしたの。あたしパニック」

 ほんとにパニック!