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本棚の隣で針仕事

雪国在住。積ん読本と図書館通い、 録画した映画、買いためた布や手芸用品をどうするかの記録。

トゥモロー・ワールド/Children of Men

映画【SF・ファンタジー】

トゥモロー・ワールド プレミアム・エディション [DVD]

 NHKBS録画

ゼロ・グラビティ」のアルフォンソ・キュアロン監督、2006年の作品
人類が不妊化した近未来の2027年、新しい世代を失った世界は荒廃し、内戦と無秩序状態に陥り、イギリスだけが軍力で秩序を保っていた。そんな中で官僚のセオは奇跡的に妊娠した難民の黒人少女に出会うという話。

録画したことも忘れてましたが、録り溜め消化で見てみたら、これまたえらい作品でした。近未来SFサスペンスとのことですが、荒廃した未来にSF的なマシーンなど出てこなくて、虐げられる難民と反体勢力との争いと内ゲバ、さらに逃亡劇になる後半はもう戦争映画。ラストの長回しによる市街戦脱出シーンは、ノーカットで主人公の視線のまま戦場を駆け抜ける。無差別にただ殺されていく難民、砲弾を撃ち合う軍とレジスタンス、無防備で逃げ惑う主人公たち。映画だということを忘れるほど身震いする臨場感で本当にすごい映像でした。そして最後に戦場に響く赤ちゃんの泣き声。涙 。・゚・(ノД`)・゚・。
中東の紛争、シリアやイラクはまさに今こんな状態なのか…と思ってしまい胸がつまりました。

説明してくれない映画だったので(そういうのは大歓迎なんだけど)、ロンドン市街の広告看板や所々に出る新聞の見出し、流れる挿入歌にこれは絶対含みがある!と思っても英語がわからん。こういうところが読み解けたら良かったのになぁ。ゲルニカピンク・フロイドは風刺の意味とわかりました。大臣の部屋から見えるピンクの豚の間抜けっぷりときたら。
そしてこの映画には犬、猫、鶏、羊と様々な動物が登場します。結構どのシーンにも犬がいた気がする、押井守作品のようだなぁ。

政府から自殺用毒薬と抗うつ剤が支給される絶望的な世界なんて、あってほしくない未来ですね。

最後に邦題といい、ポスターの画像といい、日本語版はB級SFっぽくってマッチしてない。
本場のはかっこいいのになぁ。これはアクションサスペンスですよ。

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