夜空と陸とのすきま

SF好き SF小説1000本ノックを目指しています

八甲田山

 

 

 

BS放送を見る。

日露戦争前夜、対ロシア戦を想定して八甲田山雪中行軍を強行し遭難、199名が死亡した大惨事「八甲田雪中行軍遭難事件」の実話映画。

正月明けの3連休、娘と図書館にいき、帰ってからなにげなくテレビをつけたら放送していました。
追悼高倉健なのかなと思い途中から視聴。最初の30分くらいを見ていないので雪中行軍にいたった過程がわからず、ネットのWikipediaの記事と八甲田山の地図や行軍の行程を照らし合わせてなんとか理解できました。ネットって便利だわ。
全体的に画面が暗く、全員が同じ軍服・帽子なので誰が誰だか…(緒形拳だけほくろでわかった)今写っているのは弘前隊なのか青森隊なのか、判断がつかなくても話にはぐいぐい引き込まれました。

雪崩にあい、うわぁぁ!とか悲痛な叫びがテレビから流れても、図書館で借りた本に夢中でガン無視な娘。その学校の怪談本より大自然の方がよっぽど怖えーよ。

遭難して寒さと飢えと凍傷に発狂し咆吼するシーンとか、「もうこんな撮影いやじゃぁあ!!」と魂の叫びも含んだ迫真の演技の数々、よく雪山ロケで死人が出なかったと思います。
白い光景ばかりかと思いきや、途中ではさんでくる穏やかな田園風景や子ども達の笑顔。その対比にまた泣かされました。

見終わった後はむなしさだけが残ります。官僚化した軍隊、優柔不断な上司の元では、なんと命のやすいこと。いやはや凄い映画を作ったもんです。