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本棚の隣で針仕事

雪国在住。積ん読本と図書館通い、 録画した映画、買いためた布や手芸用品をどうするかの記録。

小さいおうち/中島京子

小さいおうち (文春文庫)

 

義母から借りる。

昭和初期の赤い屋根の小さいおうちで女中をしていたタキの回想録。奥様の秘密を知り、忍び寄る戦争の影…という物語。

映画化もされたので(まだ観ていませんが)脳内で時子奥様はばっちり松たか子でした。お嬢様育ちでふわふわしていて危なっかしい雰囲気がよく出ていそうです。豆タンクのようなタキが黒木華…。体格は違うけど良い配役だと思います。

奥様の秘密を知ってしまったタキ。この後の展開は「家政婦はみた」なのかと思ったら

人は、市原悦子が出てくるテレビドラマなどを見て、家政婦や女中なんてものは、いつでも家人の手紙を勝手に読んでいると思うようだが、わたしたちはそんなことはしないのである。

と自分で突っ込んできて吹いた。否定しながらも結局手紙を読んでるし。

奥様とタキと板倉の三角関係よりも、大正からの和洋折衷文化が花開く昭和初期の暮らし、着物や食べ物の描写の方が興味深かったかな。

物語後半は一転して、景気良く華やかだった東京が大空襲にあい
奥様は戦火に巻き込まれ、板倉は南方の戦地で地獄をみて、タキは孤独死
幸せと不幸の対比と、死ぬまで続く後悔がせつなかったです。

映画館にも足を運んだ義母の感想を聞くと、「女々しい話だった」とばっさり切ってましたが。