夜空と陸とのすきま

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阿・吽 1/おかざき真里

 

 

 

書店でジャケ買い

月9ドラマ「サプリ」の原作者だそうですが、ドラマも漫画も見たことないです…。
初期の短編と出産・子育て関係のエッセイ漫画をちらほら読んだくらいで、おかざき真里の本は初めて買いました。

炎の空海、水の最澄のお話。

話の読ませ方も上手ですが、なんといっても絵がすごい。
線画だけでここまで表現できるんだなと。岡野玲子の「陰陽師」に近い
神秘的で広がりのある空間、コマ割しているのに自由すぎる描写
飛び出していく構図。
特に真魚(空海)が初めて京に上った時にみた、怨霊や生き霊達の表現。
なぜ霊がみえるのか、霊感があるのかという説明は無視。
人間の愚かさや醜さをグロテスクな怨霊で表現してしまうシーン。グロいのに哀愁が漂っていて、どこか憎めない霊たち。

文章や映像では出せない漫画だからできる表現だと思います。
本当に嫉妬しまくりで、ゾクゾクして鳥肌が立ちました。

お話はまだまだ始まったばかりですが、識るを求める二人が
仏教の中で何を悟っていくのか、そして動乱の時代にどう生き抜くのか
今後の展開が非常に楽しみであります。
どうか無事に完結できることを!