図書館で借りる。
ルソーの幻の作品は真作か贋作なのか、古書を手がかりに謎に迫るミステリー。
以前に原田マハの恋愛短編を読んだことがありましたが、なんかこう…綺麗すぎるというか、さらりとした(良くない言い方だと薄い?)可もなく不可もなしな話ばかりだなという印象だったので、ルソーの「夢」が表紙で、山本周五郎賞受賞作、新聞の書評でも話題になっていた本作は気になるものの、手に取るのに随分時間がかかりました。
人物やら文章やらつっこみたいところは多々あるけれど
読後の感想は正直に面白かった!
何分ミステリーなので、詳細を書くとネタバレしてしまう
自信がたっぷりだからはぶきますが
特に美術館とモダンアートに関するところは
学芸員でもある著者らしく蘊蓄もすごいです。
アートを理解する、ということは、この世界を理解する、ということ。アートを愛する、ということは、この世界を愛する、ということ。
いくらアートが好きだからって、美術館や画集で作品だけをみていればいいというもんじゃないだろう?ほんとうにアートが好きならば、君が生きているこの世界をみつめ、感じて、愛することが大切なんだよ。
ヒロインの父親の言葉ですが、おお〜いいこと言うなぁ。
あと「絵が生きている」というセリフも好き。
私はアンリ・ルソーの描くジャングルが好きで、高校生の頃に画集を買った記憶があり、この本を読んでいる途中で久々に画集を開きたかったのに本棚になくなっていました。何度目かの引っ越しで手放したのかな、残念。
でもまとめサイトを見つけたので、ルソーの絵を色々と思い出せました。
作ってくれた方、ありがとうございます。
原田マハ著『楽園のカンヴァス』に登場する絵画のまとめ - NAVER まとめ
学生の頃にニューヨークのMoMA美術館に行って、初めて本物のルソーを見ました。
感動して写真を撮ったはずと思い出し、古いアルバムをだしてみたら
眠れるジプシー女がすんごいピンぼけてんの。
カメラの扱い下手すぎる、ああもったいない。
でも撮影OKというのも今考えるとびっくりだ。
もう一度、MoMAに行って「夢」を見たくなりました。
(追加)アルバムをめくっていて気がついた写真
2つのビルがすごく印象的で撮影した覚えがあります。
911より3年前。
今回楽園のカンヴァスを読んで学生の頃の貧乏旅行を思い出し、さらにルソーの魅力を再確認したところです。