夜空と陸とのすきま

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虐殺器官/伊藤計劃

 

 

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

 

 

古本屋で購入。

遺作「ハーモニー」を読んだので、デビュー作の方も。

2015年夏にアニメ映画化だそうで、先日絵も公表されてました。
とりあえず萌じゃなかった、良かった。(今のところ)

伊藤計劃「虐殺器官」「ハーモニー」、2015年に劇場アニメに - ねとらぼ

 

9.11以降の世界情勢を舞台に、アメリカ軍の兵士シェパードが世界中で起こり続ける虐殺の背後にいる謎のアメリカ人”虐殺の王”ジョン・ポールを追って世界を巡る話。

戦士であるために成熟をテクノロジーで封じられ、物語はナイーブな主人公の語りで進む。
一人称は「ぼく」、うーん「スカイ・クロラ」みたい。

成熟していないので、延々と母の死について悩み、女性ターゲットに惚れ込み周りが見えなくなり、あげくに自分の国を崩壊させる。こんな輩に世界を崩壊させられるなんて、イイ迷惑だヽ(`Д´#)ノという読後の後味感が悪かった。

けっこうな飛び散り系で、少女の脳髄、少年の内臓うんぬんの描写が何度も繰り返される。映像化しても繰り返すんだろうなぁ。痛みを感じさせない薬を使っている兵士同士が、お互いミンチになるまで殺し合うシーンとか、お腹いっぱいでした。うぇ。

背景の世界観が先進国と搾取される途上国の二極化であり、近未来の管理社会や、人工筋肉などのバイオテクノロジーなど、未来技術のガジェットも豊富に出てきて、そういう知識や設定は面白かったです。