夜空と陸とのすきま

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わたしを離さないで/カズオ・イシグロ

 

 

以前、母が訪ねてきたときに「移動中に読んじゃった。面白かったよ、あげるわ」と言って本棚に置いていった本。

そのまま数年間放置。すっかり忘れていて、買った覚えのない本があるなぁと思い、手を出してみました。(読み終える頃にもらったことを思い出した)

どういう内容かというと、ネタバレになるので上手く書けないけれど
世間から閉じられた寄宿学校にいる男女3人の話が軸です。
とても静かに淡々と主人公キャッシーの一人称でエピソードが綴られて、最後に凍り付くほど衝撃的な事実。そして救われない絶望的な運命も、また淡々と受け止め静かに終わっていく。

そんな話です。

今の医学の進歩は、技術的になんでも作れる一歩手前までいってはいるものの、生命の倫理面、道徳的にいかがなものか?という考えがストッパーになっているが、それがはずれたらこうなるかもという話でもあります。なのでちょっとSF。

でもイギリスならもう現実でありそうと思ってしまうのは、「あなたを抱きしめる日まで」を観たせいもあるかも。

「わたしを離さないで」は映画化されていますが、「トミーの描いたスケッチ」を映像でみてみたいなぁ。