夜空と陸とのすきま

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第一阿房列車/内田百閒

 

 

第一阿房列車 (新潮文庫)

第一阿房列車 (新潮文庫)

 

 図書館で借りる。

元祖鉄オタこと内田百閒が、弟子のヒラヤマ山系と
用事が無いけど列車の旅にでる旅行記

東北の青森に行くのに、早起きするのが苦痛で
朝9時上野発に乗らず、昼過ぎの仙台行きに乗り福島で一泊
また昼過ぎに起きて青森行きに乗るという
超マイペースなちんたらした旅。

さらにお金がないのに借金で一等室に乗るという内田百閒。
そんな百閒に「はあ」「まあ」と曖昧な返事でついていく
無口な弟子平山さん。
二人の会話は落語に似ている絶妙な間合い。

鉄道に乗って、ずっと景色を眺めているのがいいと書かれているけど
風景の描写があるわけでもなく、腹が減っただの、掃除がなってないだの
まじめにくだらないことをぶつぶつ書き綴るのが面白かったです。

せっかく到着したのに観光をしないで、
すぐまた帰りの鉄道に乗るというアホぶりもたまらない。

内田百閒なら図書館に沢山あるだろうと思っていたけど、
いつもの市立図書館には検索したら2冊、しかもどちらも閉架
こんなに面白いのにもったいない。

一條裕子氏が漫画化しているらしく
(百閒を選ぶとはいかにも一條氏らしい)
そういえばどっかのブックオフで見かけたなと
早速買ってこようと思います。まだあるといいな。