本棚の隣で針仕事

雪国在住。積ん読本と図書館通い、 録画した映画、買いためた布や手芸用品をどうするかの記録。

読書【小説SF】

宇宙の操り人形/フィリップ・K・ディック

時系列順に読んでいるディック作品ですが、これは古書店で見つけることができず、結局ネットでポチりました。珍しくちくま文庫から出ている初期の中編SF。ちょっと初期作品に戻ってみる。 子どもの頃に住んでいた山間の田舎町ミルゲイトへ行ってみたら、そこ…

ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン/ピーター・トライアス

初めて表紙を見た時に「おぅパシフィック・リム!」とヘンな声が出てしまった「ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン」をようやく読み終えました。 台詞が多く、まさにハリウッド映画超大作のような展開に、すらすら読めるかと思いきや、意外に拷問シーン…

書架の探偵/ジーン・ウルフ

図書館の書架に住まうE・A・スミスは、推理作家E・A・スミスの複生体(リクローン)。生前のスミスの脳をスキャンし、作家の記憶や感情を備えた、図書館に収蔵されている“蔵者”なのだ。 作家の死後にリクローンが作られ、その作家の著作物と共に図書館に住ま…

know/野崎まど

極度に発達した情報化社会の対策として、子供の頃から脳に〈電子葉〉の移植が義務化された2081年が舞台。情報格差の果ては、レベル0〜6に仕分けられ、低いレベルの人はアクセス制限がかかり、高レベルの人から丸見えにされるという怖さ。ありそうありそう…

スローターハウス5/カート・ヴォネガット・ジュニア

けいれん的時間旅行者であるビリー・ピルグリムは、自らコントロールはできなない時間の中に解き放たれ、自分の生涯の未来と過去とを従来する。歩兵としてヨーロッパ戦線におもむき、ドイツ軍の捕虜となりドレスデンの無差別攻撃を体験したWW2、アメリカに帰…

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?/フィリップ・K・ディック

人類が移住した火星から、地球に逃亡してきたアンドロイド達を狩る賞金稼ぎデッカードのお話。 ディックの初期作品から読んでいって、ようやくたどり着いた円熟期の名作「電気羊」。高校生の頃に県立図書館で初めて手に取って読んでから、もうウン十年目。そ…

セルフ・クラフト・ワールド01/芝村裕吏

大規模多人数同時参加型オンライン(MMO)RPG「セルフクラフト」のゲーム世界内で、独自進化を遂げた人工生命<G-LOIFE>の謎とは、というお話。 鶴田謙二風なイラストにつられて図書館でジャケ借り。普段20世紀のSFばかり読んでいるので、今世紀のは久しぶり…

ザップ・ガン/フィリップ・K・ディック

東西両陣営に分かれて新型兵器開発競争をしている人類。トランスによりインスピレーションを得る兵器ファッション・デザイナーが主人公。しかし開発された兵器は、実戦で活用するわけでもなく、政府がCGを駆使して作ったプロモーションビデオを見て、パーサ…

時間のないホテル/ウィル・ワイルズ

家族旅行だとそんなに利用する機会もないので、あんまりかかわりがないビジネスホテルですが、「時間のないホテル」は世界中にチェーンを展開するビジネスホテルに閉じ込められる話。幻想小説でSFホラー。 チェーンホテル「ウェイ・イン」は、国際見本市が行…

無限の書/G・ウィロー・ウィルソン

昨日に続き一気に更新していますが、娘の春休みが終了したのでようやくブログ更新できるからなのです。書いているときに後ろからチラチラ見られると気恥ずかしいのですよ。あと、図書館返却日が迫っていて一気読みしているのもあります。今回は調子にのって…

パーマー・エルドリッチの三つの聖痕/フィリップ・K・ディック

ついにディックの円熟期作品にたどりついたー。ディック山の折り返し地点到達。 異常気象により灼熱状態の地球から、太陽系の他の惑星に強制移民させられた人びとは、あまりにも不毛な土地に絶望し、ドラッグにのめりこんで現実逃避をしているという設定。俺…

地球の長い午後/ブライアン・W・オールディス

これから数十億年後の未来は、次第に太陽が膨張し始め、地球上の水分は蒸発し、砂漠化するかもと言われているそうです。子どもの頃に本でこの事実を知って、怖いけど私の生涯に関係なし、でも怖いという不思議な気持ちになりました。 この物語は遠い未来、太…

空間亀裂/フィリップ・K・ディック

西暦2080年、地球は人口爆発に陥り、史上初の黒人大統領候補ブリスキンは惑星植民計画の再開を宣言するが…というお話。 ディック60年代玉石混淆の「石」の方も大体読み進みました。巻末の解説で「十段階で二点」って、もう何回見たことか。いいの、それでも…

タイタンのゲーム・プレーヤー/フィリップ・K・ディック

ヴァグと呼ばれるタイタン星生物との戦いに敗れ、ヴァグに支配された地球人類。戦争により人口が激減し、さらに化学兵器の影響で極端に出生率が低下。一部の特権階級の人のみヴァグが持ち込んだ<ゲーム>で自分たちの土地を賭けたプレイに興じている…という…

逆まわりの世界/フィリップ・K・ディック

ここ10年ほどかけて書店と古本屋でディック本をせっせと買い集めてきたけれど、どうしても出会えなかった文庫の1冊がこれ。そしてAmazon経由の中古書サイトで1円でした。1円…1円なのか。送料の方が高いねん。でも古本屋をめぐるガソリン代を考えると、もう残…

惑星カレスの魔女/ジェイムズ・H・シュミッツ

商船の船長パウサートは、偶然出会った惑星カレスの魔女である幼い三姉妹を奴隷の身分から助けだし、無事にカレスに送り届けるが、銀河帝国とカレスの騒動に巻き込まれ…というスペースオペラ。おひとよし船長と三姉妹の次女ゴスの息の合ったコンビも楽しい。…

ここがウィネトカなら、きみはジュディ 時間SF傑作選 (SFマガジン創刊50周年記念アンソロジー)/大森望編

時間SFのアンソロジー。時間ロマンス、奇想、時間ループをテーマにした13篇。これを読んでから、私はタイムスリップか歴史改変物の方が好きかもと気がつきました。ループものって主人公の心情に共感しすぎて辛くなってきます。外国ではマイナーだけど、日本…

火星のタイムスリップ/フィリップ・K・ディック

火星の植民地では常に水不足。新鮮な食品も地球からの密輸に頼り、スクールでは悪い刷り込み教育をしていて、精神病患者が急増、生まれてくる子供達は自閉症だらけ。そんな不毛な火星で唯一巨額な富を築き上げている水利組合の組長アーニーは、国連の火星再…

ライズ民間警察機構―テレポートされざる者・完全版/フィリップ・K・ディック

テレポート装置<テルポー>を使って瞬時にフォマルハウト第9惑星に移住を始めた人類。しかしこの装置を利用するとなぜか片道通行しかできず、フォマルハウトからの通信では、ここは地上の楽園と伝えてくるが、一体現地で何が起きているのか…というお話。 …

地球礁/R.A.ラファティ

表紙絵がかわいいじゃん!ということで、前々から気になっていたラファティにチャレンジ。でも仕事が猛烈に忙しい時期に読むもんじゃなかった…。 宇宙の果てから地球にやってきたプーカ人の子供達6人+幽霊1人が、全人類抹殺の旅に出る話。 全人類抹殺ですよ…

不思議のひと触れ/シオドア・スタージョン

図書館で借りて読んでいる最中に、一箱古本市で中古本をゲットして、また最初から読み返していました。河出書房新社の奇想コレクションはホントに素晴らしいですね。 このアンソロジーは特に良かったなぁ。せつなくなったり、笑い転げたり忙しかったです。特…

最後から二番目の真実/フィリップ・K・ディック

第三次世界大戦下、核戦争から地下に逃れた人びとは、戦闘用ロボットの生産を続けていた。しかし本当は15年前に戦争は終わっていて、一部の特権階級が地上を支配し、地下の民へは情報操作によって偽りの真実が伝えられていたのだった…という話。 地下民が重…

まだ人間じゃない 傑作選4/フィリップ・K・ディック

ディック傑作集4巻目。長年古本屋に通い集めていたディック本で、この傑作選は偶然にも揃えることができました。今は再編されて早川から新装版が出ています。ディストピアな8編の短編集。 はてなでブログを始めた友達が毎回自作漫画を載せていて、それがと…

古代の遺物/ジョン・クロウリー

豊崎社長の書評集の影響から海外文学(SF中心)にハマり早数年目、新たに気がついたことがあります。それは国書刊行会の本にハズレなしということ。図書館や古本屋で国書刊行会を見かけたら、迷わず借ります買います。このジョン・クロウリーも知らない作家さ…

ゴールデン・マン ディック傑作選3/フィリップ・K・ディック

ようやく3冊目の短編集。 『ゴールデン・マン』ミュータントのお話。もう超人過ぎていっそ清々しいラストでした。 『妖精の王』ディックが剣と魔法のファンタジーを書くとこうなった。さびれたハイウェイのスタンド亭主で、これまた冴えないおっさんが妖精の…

火星の人[新版]上・下/アンディー・ウィアー

映画「オデッセイ」の原作。 原作はサバイバルがもっと細かい描写で、ワトニーが始終計算しながら試行錯誤をしている様子が面白い。でも文章だけではローバー(探索機)やハブ(居住)がイメージ想像しづらいので、そこは映画の映像が助けてくれてました。こ…

時間のかかる彫刻/シオドア・スタージョン

いやー2月は本当にしんどかった。仕事終わって家事がすんだら、もうよぼよぼそのままベットに倒れ込んだ日々。これが鍋の中の昆布状態というやつね。2月後半少し楽になり、このスタージョンの短編集がなんとか読めました。文字が文章が五臓六腑に染み渡る…灼…

時間飛行士へのささやかな贈物 ディック傑作選2/フィリップ・K・ディック

早川から出ていたディック傑作選2。こちらも絶版みたいですね、ディックの新装版を次々に刊行している早川書房、ぜひ短編も傑作選じゃなくて全集みたいに出して欲しいな。これは大分前に古書店で購入した本、裏に「ワールド200」って値札ラベルが貼ってある…

パーキー・パットの日々 ディック傑作集1/フィリップ・K・ディック

2015年はSFを読むぞ!と決めて、今までに買いだめしたディックを初期作品から読んできましたが、まだ初期の短編集から脱せず。しかもSF本紹介サイトや書評を見て回り、早川&創元がわんさかある古書店に行ったりで、さらに本棚に蔵書が増えていき…。どうすん…

逆行の夏 ジョン・ヴァーリイ傑作選/ジョン・ヴァーリイ

まさかヴァーリイをご存じない。なにも失くしたことがないならそれでいいけど。円城 塔 という帯が目にとまり、サー!知りませんでしたっ!すぐ読ませていただきます!とレジに持っていきました。新しい作家さんだと思っていたら、70〜80年代を代表するサイ…