本棚の隣で針仕事

雪国在住。積ん読本と図書館通い、 録画した映画、買いためた布や手芸用品をどうするかの記録。

読書【小説】

スウィングしなけりゃ意味がない/佐藤亜紀

最近は海外文学ばかり読んでいて、久々に手を取った佐藤亜紀の新作も大戦下のドイツが舞台という、ちっとも日本じゃない。 第二次世界大戦中ドイツ・ハンブルクのナチスなスウィングボーイズのお話。主人公達がおぼっちゃまなボンボンで、始終斜め上な目線で…

シェル・コレクター/アンソニー・ドーア

アンソニー・ドーアの処女短篇集。確かに文体のリズム感や、その場にいるような感覚におちいる情景描写は最新作「すべての見えない光」のほうが優っていますが(当たり前)、この短篇集を20代の若さで!という、繊細な物語を綴る力に恐れ入りました。傷つい…

メアリと巨人/フィリップ・K・ディック

ディック初期の<普通>小説。そう、これには他惑星に移住とか、タイムマシーンとか、偽世界なんてモチーフは出てこないんです。二十歳の女の子とレコード屋のおっちゃんの恋の物語! ディックの小説で女の子が主人公ってのも珍しいし、大体が会話文で進んで…

パンドラの少女/M・R・ケアリー

奇病の爆発的な蔓延“大崩壊”から二十年。人間としての精神を失い、捕食本能に支配された“餓えた奴ら”により、文明世界は完全に崩壊していた―。わずかな生存者たちは、ロンドン北の軍事基地で、半分人間、半分ゾンビ状態にある子供たちを利用し、治療法を見つ…

メモリー・ウォール/アンソニー・ドーア

アンソニー・ドーアの「すべての見えない光」を読み終えて、その前に出版された短篇集「メモリー・ウォール」を借りてきました。短いけれど厚い6つの物語。自然の中が舞台で、におい、光、植物や虫と鳥の描写なども入れてくるのでその場にいるかのような錯覚…

すべての見えない光/アンソニー・ドーア

第二次世界大戦時のフランス、サン・マロを舞台に、ドイツの少年兵とフランスの盲目の少女との出会いを描く物語。 時間に拘束される長いお仕事が終わったので、こうして本腰を入れて読書ができる歓びをかみしめています。この本はTwitterで話題になっていて…

黒豚姫の神隠し/カミツキレイニー

沖縄+ジャケ買い。 沖縄の離島に住む映画好きの中学生ヨナは、東京からの転校生・波多野清子が歌う姿に一目惚れして、ぜひ映画を撮りたいと思い立つが、偶然、波多野の後ろに怪しい黒い影を見てしまう。「私は黒い豚に呪われている」ー美少女の深まる謎とは…

翼を持つ少女 BISビブリオバトル部/山本弘

第3作目にあたる「世界が終わる前に」を読み終えた後に、娘が興味を持って1作目の「翼を持つ少女」を図書館で借りてきてくれました。「この『同人誌』って何?」「『BL』って何のこと?」など、おおぅと思わずかまえてしまう質問を私に投げかけながら凄い…

世界が終わる前に BISビブリオバトル部/山本弘

このたび市立図書館がはじめて「ビブリオバトル」を開催するようで、図書館入り口の目立つ本棚に参加者募集のチラシとビブリオバトル関連本を設置しているのですが、なぜ「BISビブリオバトル部」シリーズがそこにないんじゃぁぁ〜と不思議。司書さんに聞いた…

年月日/閻連科

「愉楽」の閻連科の中編。私は閻連科の作品を読むのは初めてで、どんな作風の方なのか知らなかったのですが、これはじわじわくる良作でした。 日照りが続き、村人たちが逃げ出した山間の村で、盲いた犬とトウモロコシの苗を守る先じいのお話。「」(かっこ)を…

オン・ザ・ロード/ジャック・ケルアック

ヒッピーやカウンターカルチャーの誕生を促したというビート文学の代表作、「オン・ザ・ロード」を新訳で読んでみました。 若き作家サル・パラダイスとワイルドで破天荒なディーン・モリアーティがアメリカ大陸を横断する旅に出る話。 アメリカ大陸横断とい…

輝く断片/シオドア・スタージョン

なんとなく古そう・小さそうだからたいした本の量がなさそうだなと勝手に思いこみ、わりと近くなのに今まで一度も入ったことがなかった隣町の図書館。娘のスポーツ行事のついでに入ってみたら、意外なほど海外文学が充実。何この品揃え。選出している司書さ…

エンドゲーム/恩田 陸

常野物語3冊目、裏返す力を持つ常野一族のお話。でも最後まで正直言ってよくわかりませんでした(^^;)うーん、結局主人公達は誰と戦っているのかよくわからない。どの辺から記憶が変化していったのかもはっきりしない。映像化したら「エターナル・サンシャイ…

蒲公英草子 常野物語/恩田 陸

短編集だった「光の帝国」に続く、常野物語長編。 前作が、面白そうな設定なのに短くてもったいないなと思ったところの長編。日清戦争の勝利で軍国化が始まった日本、東北福島にほど近い集落「槇村」を舞台に、槇村家のお屋敷の人びとと、常野一族の春田家を…

光の帝国 常野物語/恩田 陸

権力を持たず、群れず、常に在野の存在であれという意味で「常野」を名乗る一族は、長命、遠耳、つむじ足など不思議な超能力を持つ。そんな常野の連作集。久しぶりにLINEで繋がり、本の話題で盛り上がった友達からオススメされた本。実は昨年9月頃に読み上…

私はテレビに出たかった/松尾スズキ

図書館で借りる。 普通のサラリーマンがテレビに出る魅力にとりつかれ、芸能事務所に入りエキストラを目指す話。 新聞連載だったということもあって、とにかく展開が早くドタバタ。多数の登場人物がこれでもかと走り回る群衆劇、そして最後は見事な大団円。…

円卓/西加奈子

図書館で借りる。 大家族に愛されながらも、不満ばかりが募り、「孤独」を愛する小学3年生の琴子(こっこ)が、ひと夏を通じて成長していく物語。 中二病ならぬ小3病、皆に可哀相と思われたい、孤独にあこがれるこっこ。生意気になってきた我が娘と照らし合…

体の贈り物/レベッカ・ブラウン

古書店で購入。積ん読消化重い病の患者のホーム・ワーカーの語り口で、死に向かう彼らとの日常をつづる連作小説。 読み進めていくと末期エイズ患者の支援だとわかるが、重苦しさや感動的な言葉もなく、淡々と患者と接する日常が描かれます。至近距離で接す…

海賊と呼ばれた男/百田尚樹

お義母さんから文庫本上下巻を借りる。 国岡鐡造が築き挙げた石油会社「国岡商店」と「日章丸事件」の物語。 読んでみたいと思い借りましたが、やっぱりいつもの百田節にうんざりし後悔しつつ、それでもしゃくなので意地で読み終えました。引用の羅列が多く…

ムーン・パレス/ポール・オースター

図書館で文庫本を借りる。 人類がはじめて月を歩いた春、育ての親の叔父と死別して孤独になった青年が、どんどん生活が悪化して…ついにアパートを追い出されという話。 “さよならだけが人生だ”と言わんばかりに、この物語の主人公は孤独から始まり、愛すべき…

プリズム/百田尚樹

義母に借りる。 世田谷の豪邸に家庭教師として通う主人公は、離れに住む青年と庭で出会う。彼は多重人格者だったというお話。 叔母と義母から借りた3冊全部不倫ものじゃあないかっ!!偶然ですけどね。もうしばらく不倫ものいいや。お腹いっぱい。 どうしても…

小さいおうち/中島京子

義母から借りる。 昭和初期の赤い屋根の小さいおうちで女中をしていたタキの回想録。奥様の秘密を知り、忍び寄る戦争の影…という物語。 映画化もされたので(まだ観ていませんが)脳内で時子奥様はばっちり松たか子でした。お嬢様育ちでふわふわしていて危な…

白蓮れんれん/林真理子

叔母から借りる。 林真理子も今まで読んだことがない作家だし、白蓮ものも初めてでしたが「とりあえず本屋で一番売れている面出しの本を買う」という叔母が貸してくれました。ありがたやありがたや。 たまにしか見なかった朝ドラ「花子とアン」ですが、主役…

楽園のカンヴァス/原田マハ

図書館で借りる。ルソーの幻の作品は真作か贋作なのか、古書を手がかりに謎に迫るミステリー。 以前に原田マハの恋愛短編を読んだことがありましたが、なんかこう…綺麗すぎるというか、さらりとした(良くない言い方だと薄い?)可もなく不可もなしな話ばか…

月の沙漠をさばさばと/北村薫 おーなり由子

古書店で購入。 9歳のさきちゃんと作家のお母さんの12のショートショート。 北村薫というとミステリーですが、こちらは心温まる親子の日常。さきちゃんが自分の娘と同い年、どれどれと手に取ってみたのです。 表題になっている「月の沙漠をさーばさばとーさ…

同姓同名小説/松尾スズキ

古書で購入。 芸能人とたまたま同姓同名の架空人物のショートショート。 いやこれは、どうなんでしょう。面白いんだけど時節ネタが多くてよくわからないかも。興味のない芸能人の話は、どこをちゃかしているのかわからず笑えず。 というわけでちびちびと読…

太陽の塔/森見登美彦

古書店で購入。積ん読消化。 ファンタジーノベル大賞を受賞したデビュー作。といっても、森見氏特有の、京都・大学生・四畳半な舞台で、世の中にはクリスマスという悪霊がはびこっている。リア充氏ね。鴨川に座っている男女を焼き払え。と男4人が文士的な語…

想像ラジオ/いとうせいこう

図書館で借りる。 3.11の津波で亡くなった人がDJになって始めた想像ラジオに、同じく被災して亡くなった人たちが、あの世に行く前にリスナーとなってラジオ放送に投稿する話。生きている人には聞こえない想像ラジオ。 死者が霊となって交流するなんて物語は…

さようなら、オレンジ/岩城けい

図書館で借りる。 短い話だったけど、とても充実感。 故郷を離れて、異国の地で語学を学び仕事に慣れて外国人同士で友達になって少しずつ自分の生活を立て直していく話。 自分自身と重なるところも多く、身につまされて読んだ。 アフリカ難民のサリマ、日本…

島はぼくらと/辻村深月

図書館で借りる。 ずばりのジャケ借りで、五十嵐さんの絵に惹かれて手にとってみた。あと、ダ・ヴィンチのプラチナ本で紹介されてたから良書なんだろうなと思いつつ。でも予想以上に、深みのある話でびっくり。 島からフェリーで本土に通う4人の高校生の話な…

ビブリア古書堂の事件簿/三上延

図書館で借りる。 ライトノベル、なんて久しぶりなんだろう。 まずコミュ障害でおどおどしていて、黒縁眼鏡に長髪で巨乳というヒロイン設定についていけない(萌が苦手)自分も年をとったなーとつくづく思った。 さらに実写ドラマでのゴーリキと原作とが全く…

光圀伝/冲方丁

図書館で借りる。 徳川光圀といえば、「大日本史」の編纂初めて日本でラーメンを食べたそしてパナソニック劇場の水戸黄門。 小学校の頃に見た水戸黄門で思い出すのは助さん格さんに老人扱いされ、憤慨した黄門様が「私だってまだまだ元気だ!」と一人で山登…

空飛ぶ広報室/有川浩

図書館で借りる。 ドラマ化したことは知っていたけれど見ていなくて予告編で室長役が柴田恭兵だということだけ覚えていて本書を読んでいる最中は始終、柴田恭兵が頭の中をぐるぐると(しかも、あぶない刑事のセクシー大下役でw)回るので困った。いや、面白…

とっぴんぱらりの風太郎/万城目学

図書館で借りる。人気作で予約でいっぱいだと思ったのにさらっと新着図書の棚に…。えーっと(^^;)嬉しいけど複雑な○市立図書館。 伊賀を追い出された忍者が、京でだらだらと過ごし気がつけばしゃべるひょうたんに導かれ大阪冬の陣、夏の陣に巻き込まれる話。 …

ボックス!/百田尚樹

叔母より借りる。 天才型と努力型の少年2人の高校アマチュアボクシング成長記。 うーん百田さんの小説って、非常にうんちくが多い。ウィキペディアをまるっとコピペしたような…。沢山資料集めて読み込んだから物語の中に全部ぶっ込むという。へーほーと思い…

ホメーロスのイーリアス物語

図書館で借りる。 小学校の頃に夢中になって読んだ思い出があるので懐かしくなってまた借りてみました。 始終戦争しているが、小学生向けに残酷な描写は少ない。本当はもっとえぐいはずだが、「息をひきとった」「倒れた」などで表現もさらっと。それでも大…

モンスター/百田尚樹

叔母さんに借りる。 怨念の塊みたいな主人公。うーん、最後まで主人公に感情移入できなかったので読んでいてつらく、終わり方も本人だけの自己満足だったのでいまいち。登場人物も崎村以外、みんなひどいので嫌な気分になりました。 整形と風俗のウンチクは…

三匹のおっさんふたたび/有川浩

図書館で借りる。 人情あふれる還歴ヒーロー活劇第2作。 これもそのうち映像化か漫画化しそうですね。連続ドラマあたりかな。 実際、正義感あふれていてもここまで実行力のあるご老人はなかなかいないけどね。そこがファンタジー。 第2話の本屋さん万引き事…

利休にたずねよ/山本兼一

伯母に文庫本を借りる。 千利休の研ぎ澄まされた感性艶やかで気迫に満ちた人生を生み出したものとは何だったのか。 物語は利休切腹の日から始まり10代の若き日までさかのぼっていく手法でミステリーとは思わなかったけど、なかなか楽しめました。 今年の12月…

神去なあなあ夜話/三浦しをん

図書館で借りる。 久しぶりに母にあったら、おすすめの本と言って「神去なあなあ日常」の文庫本を渡された。すでに図書館で読んでいたので、本の好みが親子で似ているなぁと笑いあいました。 そんな神去の続編。 前作ラストが「切り倒した大木に乗って、山か…

地のはてから(上・下)/乃南アサ

叔母に文庫本を借りる。 借りた本は返さないといけないので、いつも必死に読むがこの2冊はすらすらと一気に読めた。 開拓団というと、以前ブラジル移民の小説を読んだが100年ほど前の、この厳しい苦労話は北海道も同じ。福島から北海道の開拓団に加わった家…

永遠の0/百田尚樹

叔母から借りる。 新聞記者の姉とその弟が、太平洋戦争時に零戦パイロットで最後は特攻で亡くなった祖父の生きざまを求めて、生き残った元同僚にインタビューしていく物語。 様々なインタビューにより、日中戦争~太平洋戦争の悲惨な実態が語られる。 読みや…

舟を編む/三浦しをん

図書館でハードカバーを借りる。 予算もなく問題だらけの辞書編集部に迎えられた主人公馬締光也が、辞書『大渡海』を完成させるまでの話。 辞書「大渡海」をイメージしたデザインの装丁が好き。本屋さん大賞受賞とか、映画化とか様々な帯がついてるけど、せ…

四畳半王国見聞録/森見登美彦

図書館で単行本を借りる。 アホな学生達が四畳半の下宿でぐだぐだしてる話。 森見氏の最近の本はどんなんだろうかと、よく知らずに借りたけど 前作「四畳半体系」というのがあって、さらに過去の作品を読んだ上で読み進めないとわからないことだらけというこ…

夜は短し歩けよ乙女/森見登美彦

図書館でハードカバーを借りる。 京都の街をさまよい歩き、変人奇人の騒動に巻き込まれる天然不思議ちゃん乙女と、彼女に一目惚れし追いかける大学生の春夏秋冬の物語。 本文にやたらでてくる内田百閒のような文学の語り口や文体が 京都という摩訶不思議な街…

ストーリー・セラー/有川 浩

図書館で借りる。 小説家の妻、妻の仕事を支える夫の話をsideAとsideBにわけて2編。 この物語があなた(夫)へのプレゼントという趣向で表紙デザインもプレゼント風に。なんだか偶然だけど前回書いた「ラブ・アクチュアリー」のパッケージと似てる。 有川さ…

むかしのはなし/ 三浦しをん

図書館で単行本を借りる。 桃太郎、浦島太郎、かぐや姫などの日本昔話を現代風にアレンジした連作短編。 昔話のかぐや姫→現在の人気ホストの話だったり、全ての話がひとつに繋がっていくので、途中でまた読み返したりしてなかなか楽しめました。 ずっと現在…