本棚の隣で針仕事

雪国在住。積ん読本と図書館通い、 録画した映画、買いためた布や手芸用品をどうするかの記録。

去年を待ちながら/フィリップ・K・ディック

ハヤカワ文庫から新訳版が出たばかりですが、読んだのは創元SF文庫の方です。 2055年、リリスター星と同盟を結んだ地球は、リーグ星(昆虫タイプのエイリアン)との星間戦争に巻き込まれ、泥沼の戦争中(スターシップ・トゥルーパーズ的な?)。この苦境から地球…

ベイビー・ドライバー/ Baby Driver

史上初、ミュージカルとアクションの奇跡の融合映画!音楽を聴くと、天才的なドライビングができる”逃し屋”の話。 今回は娘と映画館へ。前日に予告編をYouTubeで見ていたら、娘も一緒に行きたいと言い出し、R15、PG12じゃないし、「ローグワン」も大丈夫だっ…

お日さまお月さまお星さま/カート・ヴォネガット アイヴァン・チャマイエフ

デザイナーのアイヴァン・チャマイエフが描く、太陽・月・星の絵を元に、カート・ヴォネガットがお話を作った絵本。太陽・月・星というたった3つ図形の構成図から、まさかのイエス・キリスト生誕の話に結びつけてきたヴォネガットの想像力に感嘆させられまし…

宇宙の操り人形/フィリップ・K・ディック

時系列順に読んでいるディック作品ですが、これは古書店で見つけることができず、結局ネットでポチりました。珍しくちくま文庫から出ている初期の中編SF。ちょっと初期作品に戻ってみる。 子どもの頃に住んでいた山間の田舎町ミルゲイトへ行ってみたら、そこ…

ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン/ピーター・トライアス

初めて表紙を見た時に「おぅパシフィック・リム!」とヘンな声が出てしまった「ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン」をようやく読み終えました。 台詞が多く、まさにハリウッド映画超大作のような展開に、すらすら読めるかと思いきや、意外に拷問シーン…

書架の探偵/ジーン・ウルフ

図書館の書架に住まうE・A・スミスは、推理作家E・A・スミスの複生体(リクローン)。生前のスミスの脳をスキャンし、作家の記憶や感情を備えた、図書館に収蔵されている“蔵者”なのだ。 作家の死後にリクローンが作られ、その作家の著作物と共に図書館に住ま…

羆嵐/吉村 昭

大正12年の冬、北海道の開拓村をヒグマが襲った三毛別羆事件を題材にした小説。 いや〜私は娘を普通分娩で産んで、すぐに母乳が出たときに「人間って哺乳類なんだな」と実感したのですが、この本を読んで最初に思ったのは「人間ってエサなんだな」です。 文…

カブールの園/宮内悠介

芥川賞候補作にして、三島由紀夫賞受賞作。久しぶりにSFから離れて純文学たるものを手にしてみましたが、宮内氏はSF畑出身らしく「VR治療」、作曲の出来るYouTube「トラック・クラウド」など近未来っぽいものも出てきました。いいぞ〜!そしてヨセミテ国立公…

know/野崎まど

極度に発達した情報化社会の対策として、子供の頃から脳に〈電子葉〉の移植が義務化された2081年が舞台。情報格差の果ては、レベル0〜6に仕分けられ、低いレベルの人はアクセス制限がかかり、高レベルの人から丸見えにされるという怖さ。ありそうありそう…

読書で離婚を考えた/円城塔・田辺青蛙

夫婦でお互いに本を勧め合って、読書感想文を交換しあえば、いまよりもっと相互理解が進み、仲良くなるのでは? SF作家の円城塔とホラー作家の田辺青蛙の夫婦読書リレー。 夫婦でお互いにオススメの本を紹介しあう!なんて怖いことをっ!うちなんて、旦那さん…

スローターハウス5/カート・ヴォネガット・ジュニア

けいれん的時間旅行者であるビリー・ピルグリムは、自らコントロールはできなない時間の中に解き放たれ、自分の生涯の未来と過去とを従来する。歩兵としてヨーロッパ戦線におもむき、ドイツ軍の捕虜となりドレスデンの無差別攻撃を体験したWW2、アメリカに帰…

ガイコツ書店員 本田さん

レンタルコミックで数合わせのため、なんとなく手にとって借りてみたのですが、あまりにも面白くて、翌日本屋に買いに走りました! 書店員として働いている本田さんの実録コメディ。本田さんはガイコツだし、他の店員さんも紙袋やヘルメット、お面、などの仮…

ブレードランナー/Blade Runner

ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」を原作とした名作映画。 これまた久しぶりにレンタルで借りて見返しました。学生の頃に見た時は途中で寝ちゃったのです。テンポが悪いわけでもないのに何でだろう。 今ではWikipediaで調べたらうんちくがい…

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?/フィリップ・K・ディック

人類が移住した火星から、地球に逃亡してきたアンドロイド達を狩る賞金稼ぎデッカードのお話。 ディックの初期作品から読んでいって、ようやくたどり着いた円熟期の名作「電気羊」。高校生の頃に県立図書館で初めて手に取って読んでから、もうウン十年目。そ…

メッセージ/Arrival

劇場で字幕版をみる。 世界中に突如現れた12機の謎の宇宙船、言語学者の主人公ルイーズは地球外生命体(ヘプタポッド)とファーストコンタクトを図り、未知なる言語を解読し、コミュニケーションを取ろうと試みる。彼らが地球に来た理由は一体何なのか。一方…

セルフ・クラフト・ワールド01/芝村裕吏

大規模多人数同時参加型オンライン(MMO)RPG「セルフクラフト」のゲーム世界内で、独自進化を遂げた人工生命<G-LOIFE>の謎とは、というお話。 鶴田謙二風なイラストにつられて図書館でジャケ借り。普段20世紀のSFばかり読んでいるので、今世紀のは久しぶり…

バーナード嬢曰く。/施川ユウキ

読書家キャラになりたいが、本を読むのがめんどくさく、手っ取り早く名文だけ覚えたい女子高生(バーナード嬢)とツッコミ役の男子高生、ミステリー好きの図書委員とSFマニアな女子2人の計4人しかでてこない、中二病的要素が詰まった読書好きのためのギャグ…

スウィングしなけりゃ意味がない/佐藤亜紀

最近は海外文学ばかり読んでいて、久々に手を取った佐藤亜紀の新作も大戦下のドイツが舞台という、ちっとも日本じゃない。 第二次世界大戦中ドイツ・ハンブルクのナチスなスウィングボーイズのお話。主人公達がおぼっちゃまなボンボンで、始終斜め上な目線で…

アヘン王国潜入記/高野秀行

高野さんビルマへ行き、反政府ゲリラの支配地でケシ栽培を手伝いアヘン中毒になるというルポタージュ。1995年のビルマの話なので今から20年も前ですが、学生だった自分も同時期に中国雲南省近くまで旅したことがあり、あの山々の先にこんな無法地帯があった…

ザップ・ガン/フィリップ・K・ディック

東西両陣営に分かれて新型兵器開発競争をしている人類。トランスによりインスピレーションを得る兵器ファッション・デザイナーが主人公。しかし開発された兵器は、実戦で活用するわけでもなく、政府がCGを駆使して作ったプロモーションビデオを見て、パーサ…

実況中継 トランプのアメリカ征服 言霊USA2017/町山智浩

珍しく発売当日に本屋でゲットした町山さんの新刊。週刊文春連載の「言霊USA」単行本第5弾で、2016年3月〜2017年2月までの連載まとめ。前半はヒラリー勝利確定な雰囲気だったトランプ前の世界のビフォアー、そしてまさかのトランプ大統領誕生しちゃったトラ…

時間のないホテル/ウィル・ワイルズ

家族旅行だとそんなに利用する機会もないので、あんまりかかわりがないビジネスホテルですが、「時間のないホテル」は世界中にチェーンを展開するビジネスホテルに閉じ込められる話。幻想小説でSFホラー。 チェーンホテル「ウェイ・イン」は、国際見本市が行…

無限の書/G・ウィロー・ウィルソン

昨日に続き一気に更新していますが、娘の春休みが終了したのでようやくブログ更新できるからなのです。書いているときに後ろからチラチラ見られると気恥ずかしいのですよ。あと、図書館返却日が迫っていて一気読みしているのもあります。今回は調子にのって…

ひるね姫

「009」以外はだいたい見ているはず、神山監督新作「ひるね姫」観に行っていきました。 観る前にチェックしたYahoo!映画の評価がぼろくそで、そんなに散々な出来なのか不安になってしまいましたが、そんなこともなく、背景も綺麗だし、ディティールが細部ま…

パーマー・エルドリッチの三つの聖痕/フィリップ・K・ディック

ついにディックの円熟期作品にたどりついたー。ディック山の折り返し地点到達。 異常気象により灼熱状態の地球から、太陽系の他の惑星に強制移民させられた人びとは、あまりにも不毛な土地に絶望し、ドラッグにのめりこんで現実逃避をしているという設定。俺…

地球の長い午後/ブライアン・W・オールディス

これから数十億年後の未来は、次第に太陽が膨張し始め、地球上の水分は蒸発し、砂漠化するかもと言われているそうです。子どもの頃に本でこの事実を知って、怖いけど私の生涯に関係なし、でも怖いという不思議な気持ちになりました。 この物語は遠い未来、太…

謎の独立国家ソマリランド/高野秀行

アフリカ大陸北東部、アフリカの角と呼ばれる地域に位置するソマリアは、現在、壮絶「北斗の拳」状態の戦国南部ソマリアと、海賊プントランドと、奇跡のハイブリッド民主主義国家の「ラピュタ」ソマリランドにわかれている。なぜ内戦が続く不安定な地に、突…

シェル・コレクター/アンソニー・ドーア

アンソニー・ドーアの処女短篇集。確かに文体のリズム感や、その場にいるような感覚におちいる情景描写は最新作「すべての見えない光」のほうが優っていますが(当たり前)、この短篇集を20代の若さで!という、繊細な物語を綴る力に恐れ入りました。傷つい…

ボタンの整理

ブログタイトルに針仕事と入れておきながら、大分ご無沙汰な針仕事ですが、たまりにたまったボタンを整理しています。 自分や家族の服を処分するときに、とって瓶に貯めているボタン。そんなのとっといてどうすんだとは思うのですが、亡くなった祖母がやって…

メアリと巨人/フィリップ・K・ディック

ディック初期の<普通>小説。そう、これには他惑星に移住とか、タイムマシーンとか、偽世界なんてモチーフは出てこないんです。二十歳の女の子とレコード屋のおっちゃんの恋の物語! ディックの小説で女の子が主人公ってのも珍しいし、大体が会話文で進んで…