夜空と陸とのすきま

ゆるいSF脳。SF小説1000本ノックを目指しています

舞妓さんちのまかないさん/小山愛子

青森から舞妓さんを目指して京都にやってきたキヨとすみれ。舞妓修行に挫折したキヨは屋形のまかないさんになって、みんなの毎日の食事を作る。一方キヨの幼なじみのすみれは、努力が実り「百はな」として念願の舞妓デビュー。華やかな花街の舞台裏、普通の…

世界の終わりの天文台/リリー・ブルックス=ダルトン

「戦争が始まるらしい…」という噂を最後に総人類の気配が消え、北極圏に一人取り残された老天文学者と、木星探査機で宇宙にいるクルー達のセクションが交互に進むお話。 老天文学者の元にはなぜか少女が現れ、共に厳寒の地で生活を始める。一方、木星から地…

映画は父を殺すためにある 通過儀礼という見方/島田裕巳

宗教学にとってとても重要な意味合いを持つ”通過儀礼”。通過儀礼とは、人間が人生の重要な節目をむかえ、ある状態から別の状態へ変わっていく際に、節目を越えたことを確認する為に行われる儀式のことをいう。宗教学者である作者が、映画を”通過儀礼”という…

クロストーク/コニー・ウィリス

脳外科手術EEDを受けると、パートナーの気持ちがダイレクトに伝え合うことができるようになる!この最新のEED処置を一緒に受けて、より親密な関係になろうと恋人に誘われたブリディ。ところが手術を受けたらテレパシーが使えるようになっちゃったという、超…

猫は宇宙で丸くなる 猫SF傑作選/シオドア・スタージョン他

私は小さい頃から猫を飼い続け、生涯ずっと猫生活が続くであろうと思っていたのに、まさかの娘、犬猫アレルギー(目がかゆくなる、鼻水が止まらなくなる)発覚で猫を飼えず、ずいぶん長く猫を抱っこしてモフモフしていません。 せめてSFで猫に癒やされたいと…

フロリクス8から来た友人/フィリップ・K・ディック

天才<新人>と、超能力を持つ<異人>が登場し(ニュータイプちゅーやつやな) 60億人のとりとめのない<旧人><下級人>は支配される。(悪夢の階級制度やな) グラス公共安全特別委員会議長<異人>の恐怖政治が続く中、10年前に宇宙に飛びだしたブロヴ…

禅<ゼン・ガン>銃/バリントン・J・ベイリー

新年あけましておめでとうございます。ブログ6年目になります。そしてジャスト400回目のエントリー!続くなぁ。今年もSFをじゃんじゃん読んでいくよー! さて、年明け一発目は猪が出る小説を探したけど本棚になくて、猿が出る小説。2年前のお正月もベイリー…

死に山 世界一不気味な遭難事故≪ディアトロフ峠事件≫の真相/ドニー・アイカー

帯と解説が『奇界遺産』の写真家、佐藤健寿さんだーと見事に釣られて手に取る。年越しまであとわずか、2019年初っ端のエントリーに「死」がつくタイトルなんてヤダァと、年賀状作成もぶん投げて読み終えました。頑張った。 1959年、ソ連のウラル山脈で起きた…

キングコング髑髏島の巨神/Kong: Skull Island

11月に観て感想書きそびれてて、今ごろエントリー。今年観たものは今年中に。 1973年、特別研究機関MONARCH(モナーク)のランダは、ベトナム戦争帰還兵のパッカード・ヘリ部隊を護衛につけて、謎の島髑髏島の地質調査に向かう。しかし真の目的は巨大な猿ら…

シュガー・ラッシュ:オンライン/Ralph Breaks the Internet

映画館で娘と一緒に吹き替え版を観る。 昔ながらのゲームセンターの古いアーケードゲームから、Wi-Fiを伝ってインターネットの世界に!刺激的な世界でラルフとヴェネロペの友情はどうなるの?というお話。 ディズニープリンセス総出演で自虐ネタもたくさん笑…

ロビンソン・クルーソーを探して/髙橋大輔

TBSテレビ『クレイジージャーニー』で、「ロビンソン・クルーソーを探して」、「浦島太郎の正体にせまる」の回で登場した〈物語を旅する男〉冒険家の髙橋大輔。 『ロビンソン・クルーソー漂流記』のモデルとなった実在人物アレクサンダー・セルカークの無人…

自生の夢/飛 浩隆

飛さんの新刊『零號琴』のぶ厚さにおののき、とっさに隣りにあったこの本を手に取りました。こちらも星雲賞(日本短編部門)や日本SF大賞の受賞作品が収録されている豪華本。『自生の夢』は連作で、なんとなく収録されているすべての短編の設定が繋がってい…

ボヘミアン・ラプソディ/Bohemian Rhapsody

12月の初めにレイトショーで観る。 数年前からスマホの着メロを『WE WILL ROCK YOU』にしていて、着信時に隣りにいた人から苦笑されたり、パリピっすねwと言われて嬉しかったりする程度のクイーン好きなんですが、まさかクイーンの映画がこんなにヒットする…

銀河市民/ロバート・A・ハインライン

地球から遠く離れた惑星サーゴンの奴隷市場に売られ、老乞食バスリムに買われた少年ソービー。やせこけて死にそうなソービーは幼少期の記憶がなく、なぜ奴隷になったのかも覚えてはいなかったが、一見乞食のふりをして、実はただ者ではない知性と人格を持つ…

最後の物たちの国で/ポール・オースター

行方不明になった兄を探しに、ある国へ入国したアンナ。その国は秩序が崩壊し、人々の心は荒み、日々物がなくなっていく極限の状態。アンナは生き延びて脱出できるのか。アンナからのあてもない手紙という形式で、物語が紡がれていくディストピア小説。 雑誌…

トム・ハザードの止まらない時間/マット・ヘイグ

歳を取るのが非常に遅い「遅老症(アナジュリア)」の男性、トム・ハザードの437歳人生回顧。16世紀末に生まれ、魔女狩り、シェイクスピアとの出会い、ペスト流行、太平洋航海、戦争と様々な時代を生きつつ、生き別れの娘マリオンを探す、愛と孤独の物語。 …

あなたのための物語/長谷敏司

人工神経制御言語・ITP開発者のサマンサは、不治の病のため余命半年を宣告されたが、残された時間をITP商品化のための難題解決に注ぎ、命を賭けて仕事に打ちこむ。サマンサを見守る仮想人格≪wanna be≫は彼女のために小説を書くというお話。 初っぱなからサマ…

SFマガジン700【海外篇】創刊700号記念アンソロジー

大御所SF作家の短編よりどりみどり贅沢なアンソロジー。さすがSFマガジン創刊700号記念です。ゆるいSF脳なので、ハードな物は読んではみたけど全く理解できておらず。特に初めてグレッグ・イーガンの短編を読んだけれど、一生懸命わかったふりをして読み通し…

最後のウィネベーゴ/コニー・ウィリス

SFの女王コニー・ウィリスの短編集。コニー・ウィリスといえば、上下巻の分厚い長編作家というイメージで、まだあまり手を出していなかったのですが、このベスト短編集面白い。ウィリス中毒になるってわかる、笑いがあるって大事。 ○『女王様でも』「そんな…

ロカノンの世界/アーシュラ・K・ル・グィン

「ゲド戦記」でおなじみのル・グィンのSF。SFといっても惑星・宇宙船・兵器がちょろっと出てくる意外はほぼファンタジー。辺境の地フォーマルハウト第二惑星の大陸横断物語。読み終えてから、ル・グィンが作った「ハイニッシュ・ユニバース年代記」という時…

2001年宇宙の旅/アーサー・C・クラーク

古書で購入したので、今出ている「決定版」ではないほう。昭和54年第14版で320円、安い!この40年で文庫本は3倍の価格になったんだな、と遠い目。 アーサー・C・クラークといえば、該博な科学知識に基づいてSF世界を構築する第一人者なので、とってもわかり…

2001年宇宙の旅/2001: A Space Odyssey

あの名作「2001年宇宙の旅」を全国のIMAXデジタルシアターで2週間限定上映、でっかい画面で迫力ある美しさを体感!って良いなぁー都会はよう、とやさぐれていたら、NHKBSが昼間に放送してくれました。なぐさめをありがとう。 通算3度目の鑑賞になりましたが、…

謎のアジア納豆 そして帰ってきた<日本納豆>/高野秀行

西日本海沿いの私の生家では、納豆が食卓に出ることは珍しく、祖母は絶対納豆を食べなかったし、給食に出る極小粒少量パックが納豆とのファーストコンタクトだったりしたけれど、まあ嫁いだ先の北国の納豆へのこだわりようったらびっくりで、正月は必ず納豆…

こうしてイギリスから熊がいなくなりました/ミック・ジャクソン

「精霊熊」「罪食い熊」「サーカスの熊」「下水熊」など8つの奇妙な熊の物語。 訳者あとがきによると、イギリスにもともといた野生の熊は、食料や毛皮の原材料や娯楽のために乱獲されてしまったため、11世紀にはグレートブリテン島からは絶滅してしまったら…

模造記憶/フィリップ・K・ディック

新潮文庫から出ているディック短篇集3冊のうちのひとつ。初期から晩年まで幅広く押さえていてバランスが良い。80年代の新潮文庫は海外SF小説を色々と出版していたようで、よく古書店でみかけます。先日の「新潮45」騒動は腹立たしいことこのうえなかったけ…

ほしとんで01/本田

アニメ化で話題の「ガイコツ書店員本田さん」の本田さん新作は俳句漫画。 電子版1話無料お試しを読んでもピンとこなかったのですが、2話〜と続けていくとどんどん面白くなるので、悩んでいたら絶対に買いです! 個性的な学生が集まる八島大学芸術学部(通称…

それでも夜は明ける/12 Years a Slave

2014年アカデミー賞で3部門受賞し話題になってから数年、ようやくレンタルで見ました。えっと、ちょい役のカンバーバッチ目当てです…。 自由黒人のヴァイオリニスト、ノーサップは高額報酬の話にだまされて誘拐され、南部のプランテーションに奴隷として売ら…

そこまでやるか!裏社会ビジネス 黒い野望の掟/丸山佑介

危険地帯ジャーナリスト丸山ゴンザレスさんの本名名義での出版。文が「です・ます」調なので、初心者向けに丁寧に優しく説明している感じ。でも途中で突然「だ・である」調になったりするので、大丈夫か校正と心配になりました。 体系的に説明したいと記して…

イヴのいないアダム (ベスター傑作選)/アルフレッド・ベスター

ひたすら積ん読がたまっていく本棚から、イヴ繋がりでベスター傑作選をチョイス。あとがきにある「絶版となっている河出書房新社〈奇想コレクション〉の『願い星、叶い星』を改題して、新たに出版」を読んでふと見上げると、同じ本棚にその奇想コレクション…

七人のイヴⅢ / ニール・スティーヴンスン

月の無数の破片が落下し、地球は滅亡。かろうじて残った月の破片にたどり着いた人類の七人のイヴ達は、単為生殖により各人が選択した自分の遺伝子的特徴を残した七つの種族を作り出した。 それから5000年の月日が経ち、軌道上に建てた構造物ハビタッド・リン…