夜空と陸とのすきま

雪国在住。積ん読本と図書館通い、 録画した映画、買いためた布や手芸用品をどうするかの記録。SF大好きです。

新九郎、奔る!/ゆうきまさみ

戦国大名の先駆け、のちの北条早雲となる伊勢新九郎の物語。 月刊サンデー連載なんだけど、近郊の本屋でゲッサンを売っていなくて、単行本化を待ち望んでいましたよ。 私は高校で日本史を専攻しなかったので、戦国より前の中世は、同じような名前の人物が多…

まぼろしの「日本的家族」/早川タダノリ(編著)

自民党がやたらと押し付けてくる三世代同居、サザエさん的な日本の家族とは。7名の著者による総ツッコミ検証。読めば読むほど確かにまぼろしに見えるけど、うちの家族がまさしくその「田舎の」「伝統的な」「家父長制的ヒエラルキー」家族モデルに当てはまっ…

リアル・スティール/リチャード・マシスン

米ドラマ「ミステリーゾーン(トワイライト・ゾーン)」の脚本家であるリチャード・マシスンの短編集。といっても私は「ミステリーゾーン」をリアルタイムで見ていないけど、週刊少年ジャンプ連載の「アウターゾーン」は読んでいた世代なんですが、オチが効…

リンカーンの夢/コニー・ウィリス

南北戦争の物語を書き綴る作家の資料調査助手ジェフは、あるレセプションで旧友の彼女であるアニーと出会う。精神が不安定なアニーは毎晩奇妙な夢に悩まされていた。その夢は南北戦争の光景の中で、誰かと対話しているのだ。アニーの夢の謎を解くために2人は…

七人のイヴⅠ/ニール・スティーヴンスン

突如、月が7つに分裂し、その月のかけらがやがて衝突を繰り返し、2年後には無数の隕石となって地球に落ちてくると判明する。その結果、5千年は続く灼熱地獄が起こり、地球上の全てが不毛の地となるだろう。人類の種を残し、宇宙に避難するため各国政府は協調…

蔵書の苦しみ/岡崎武志

昨年から暇をみつけては、googleのスプレッドシートで蔵書記録を付けていて、マンガを省くと大体600冊は蔵書があると判明。うち半分以上が積ん読。そんなに積ん読本があるにもかかわらず、月に何度も本屋と古本屋で本を買うので本棚がぱんぱん。この蔵書をい…

モロー博士の島/H・G・ウエルズ

色々と掛け持ちの仕事をしてしまい、多忙の中ようやく読み終えたSF小説。ほんまに自分もモロー博士の島に閉じ込められた思いでした…。 大西洋で海難事故にあい、漂流していた主人公。8日目に通りかかった船に助けられたが、その船には怪しい白髪の男と猛獣が…

シビュラの目 ディック作品集/フィリップ・K・ディック

ディック60年代の黄金期の中・短編集。なにかと長編の作品と設定がかぶっているので、絵画で言えば大作のための素描・エスキースのような感じを受けました。 ・宇宙の死者 人は死ぬと急速冷凍され半生者として霊安所に保管、半生期寿命の1年分を小出しに1〜2…

冷たい方程式/トム・ゴドウィン他

1950年代のSFを中心に組まれたアンソロジーで、表題作含む9編の短編を収録。 『冷たい方程式』は訳者あとがきによるとSF"五大名作短編”のうちのひとつだとか。私は山本弘著の『ビブリオバトル部』の空ちゃんが熱く語っていたなぁと手に取りました。ハヤカワ…

ビリー・リンの永遠の一日/ベン・ファウンテン

19歳のビリーが属するブラボー分隊がイラクの戦闘でたまたま全米テレビ中継され、その功績から全米のヒーローになってしまう。一時帰還をはたし勝利の凱旋ツアー、二日後にイラクに戻るその日の数時間をビリーの視点で濃密に描くというお話。 クライマックス…

激震!セクハラ帝国アメリカ 言霊USA2018/町田智浩

文春連載の言霊USA第6弾の単行本は、ほぼほぼトランプでした。後半から#MeToo運動に発展したセクハラ騒動。私の大好きなケビン・スペイシーは雲隠れしてトンズラ、先日はモーガン・フリーマンもお・ま・え・も・かっ!と誠に遺憾であります。 そんな中で印…

スイス・アーミー・マン/Swiss Army Man

タイミングを逃して劇場で見れなかったと悔やんでいたら、すぐにレンタル化されました。 誰も助けてくれない無人島で絶望し、今まさに首をくくろうとした男(ハンク)の前には水死体(メニー)が。「もうすぐ僕もそっちへいくよ」と覚悟を決めたとき、死体か…

ゲームの王国 上・下/小川 哲

上下巻を読み終えた日に山本周五郎賞受賞!おめでとうございます!書評家のトヨザキ社長もおすすめ、去年のアメトーークで読書芸人がジャケ買いする本として紹介されてからずっと気になっていて、ようやく手に取りました。カンボジアのポル・ポト支配下にお…

ドリーム/Hidden Figures

1961年アメリカNASAのマーキュリー計画を裏方で支えた黒人女性達の話。 黒人と女性という二重の差別と戦い、見事な仕事っぷりで宇宙有人飛行を成功に導く姿が清々しい。NASAの職場で差別といじめにあっても、仲間と地域の人、家族が温かく支えてくれている。…

スローターハウス5/Slaughterhouse-Five

カート・ヴィネガット・Jrの原作を先に読んでいたので、原作のイメージを肉付けしていくように鑑賞でき面白かったのですが、これは原作を読んでいないと(映画に説明がないので)さっぱり分からんのでは。 原作で繰り返し出てきた「So it goes(そういうもの…

かご風バック

母の着物端切れをどうにかしようと、かご風バックを作ってみました。 配色をあんまり考えずにやっちゃったので、出来上がりがちょっと不満。脇のチェック柄はこれじゃない。義母から「地味っ!」と笑われました。うん、渋い色の紫を選んでしまったのも失敗。…

アルテミス上・下/アンディー・ウィアー

月面都市アルテミスでポーター(運送屋と密輸)として働くジャスミン(26歳)が、おいしいもうけ話を持ちかけられて、あれよこれよと殺人事件に巻き込まれ、知恵と勇気と仲間とで困難を乗り越えていくというお話。 『火星の人』アンディー・ウィアーの新作!…

レッスンバッグ

今月に入ってからバッグ3作目。やたらと作りまくっていますが、袋物をずっと作りたい〜ああしたいこうしたいが溜まっているのだ。 趣味のサークルに持って行くレッスンバッグを作りました。この布もバッグにしようと二年前に買ったやつ。(二年間据え置き) …

月の部屋で会いましょう/レイ・ヴクサヴィッチ

初めてのSF作家さん翻訳本で、33編もの短編集。ひとつひとつが10ページ未満なのでどんどん読めるかと思いきや、中盤に差し掛かってくると疲れてきたり、やや混乱しました。あまりにも設定が素っ頓狂で。 一番手の『僕らが天王星に着くころ』。足下から体の皮…

「最前線の映画」を読む/町山智浩

町山さんの本は出版されるやいなや本屋にかけこんで購入していますが、どんどん出版されるのに読むのが遅いので積ん読が〜と嬉しい悲鳴。今月も新刊を2冊買ったよ。 さて、『「最前線の映画」を読む』は、ここ2年ほどの間に公開された映画の解説本。映画を観…

ウォー・ヴェテラン ディック中短編集/フィリップ・K・ディック

ディックの初期短編6作品を仁賀克雄氏が訳しまとめたもの。社会思想社・現代教養文庫も今はもうなくなったのでレアな古本、でもよく古書店で見かけます。 『髑髏』“ミイラ取りがミイラになる”まんまの話だけど、ミステリアスで良く出来たSF短編だと思う。 快…

浴衣でトートバック

里帰りして、三回忌を迎える祖母の形見をいくつかわけてもらいました。その中で祖母お手製の浴衣をもらうも、私と祖母とは身長差が15センチ以上もあったので、袖丈、裾丈もちんちくりん。ちょうど買い物バックが欲しかったところなので、思い切ってバックに…

イスラム飲酒紀行/高野秀行

春休みは子供と南国に帰省してきました。桜は満開、早くも初夏の陽気で蚊も出てきてる。そして旅のお供は旅本がベストですな、というわけで高野さんのイスラム圏紀行文。厳密に飲酒を禁止されているイスラム圏で、執念の酒を求めるという、お酒なんてあるわ…

折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー/ケン・リュウ編

『紙の動物園』各SF大賞を総なめにした短編の名手ケン・リュウが精選し英訳した、中国若手SF作家達の短編アンソロジー。SFって大体が未来の話でもあるけれど、現代の写し鏡であり、その国の社会問題が見えてくるのが面白いなあと改めて感じました。印象深か…

山怪 山人が語る不思議な話/田中康弘

フリーランスのカメラマンである作者が登山者、マタギ、山沿いに住む人々を全国津々浦々渡って取材をし、まとめあげた山の不思議話。オチもなく、タヌキかキツネに馬鹿されたなどなど、民話になる前の原型のような話がたくさんあり、想像力をかき立てられま…

壇蜜日記/ 壇蜜

暖かいですねといえど、夜は寒いので油断できない。週末には雪、雨、晴れのマークが一日のスペースに押し込まれ、狭そうにしていた。結局「降るかもしれないし降らないかもしれない」と言いたいのがよくわかった。 2014年2月25日の日記、まるで今日の天気の…

世界を見てしまった男たち 江戸の異郷体験/春名 徹

BRUTUSの「危険な読書」特集で探検家の角幡唯介氏が対談で紹介していた本。もう出版社に在庫無しだったから、面白そうな本だけど入手できないかなと思いつつダメ元でBOOKOFFに出かけたらありました。これは速攻読めということね!神々しく光って見えたよ。Am…

銀河の壺なおし/フィリップ・K・ディック

サンリオ文庫というほぼ入手不可能で幻の文庫本だったのが、新訳でハヤカワ文庫から登場、待ってました!映画「ブレードランナー2049」ディック祭りのおかげです。同じくサンリオ文庫の「シュミラクラ」も入手を諦めていたけど新訳版を出してくれました、あ…

ゴーストバスターズ(2016)/Ghostbusters

大学を追い出された物理学者エリン、心霊現象研究家のアビー、原子力エンジニアのホルツマンは、なりゆきで「超常現象究明研究所」を設立し、ニューヨークを騒がせる幽霊騒動に挑むというお話。 劇場で3D版を見逃したことを後悔、これって3Dだとビームがすっ…

黄色い雨/フリオ・リャマサーレス

情熱の国、大らかなラテン気質スペインというイメージが覆された、繊細で寒くて苦しくて暗い死の小説。黄色=ほっこりとする幸せな色だったのに、冷たい黄色もあるんだなと思いました。 時間はいつもさまざまな傷を消し去る。時間は執拗に降りつづく黄色い雨…