夜空と陸とのすきま

ゆるいSF脳。SF小説2000本ノックを目指しています

イヴのいないアダム (ベスター傑作選)/アルフレッド・ベスター

ひたすら積ん読がたまっていく本棚から、イヴ繋がりでベスター傑作選をチョイス。あとがきにある「絶版となっている河出書房新社〈奇想コレクション〉の『願い星、叶い星』を改題して、新たに出版」を読んでふと見上げると、同じ本棚にその奇想コレクション…

七人のイヴⅢ / ニール・スティーヴンスン

月の無数の破片が落下し、地球は滅亡。かろうじて残った月の破片にたどり着いた人類の七人のイヴ達は、単為生殖により各人が選択した自分の遺伝子的特徴を残した七つの種族を作り出した。 それから5000年の月日が経ち、軌道上に建てた構造物ハビタッド・リン…

サマー/タイム/トラベラー 上・下/新城カズマ

東京オリンピックのマラソン競技だけのために、大混乱を招き、現場SEが阿鼻叫喚するサマータイムを導入しようとか、いいかげんにせいやぁちころすぞごるぁなどと下品な言葉を発しながら鬱々とした気分になったところで、積ん読棚にあった「サマー/タイム/ト…

世界の混沌を歩く ダークツーリスト/丸山ゴンザレス

TBS深夜番組「クレイジージャーニー」で超絶人気の、危険地帯ジャーナリスト丸山ゴンザレス旅行記&「クレイジージャーニー」裏日記。世界中にあるスラム街、地下住人に取材したり、ドラッグやブラックビジネスの真相にせまる。 ここ数年は「クレイジージャ…

七人のイヴⅡ/ニール・スティーヴンスン

月が7つに分裂し、無数の月の破片の落下<ハード・レイン>がいよいよ始まる。宇宙ステーションを核とした<クラウド・アーク>に逃れた人類は1500人。襲いかかる困難の数々、そして内部分裂、はたして人類は生き延びれるのかー近未来宇宙開発ハードSF大作、…

帰ってきたヒトラー/Er ist wieder da

あのヒトラー総統が1945年の自殺後、2014年のドイツにタイムスリップしてくるお話。テレビ局社員のゼンゼンブリンクは、未来に来てしまって混乱しているヒトラーと偶然出会い、本物そっくりさんだと思い込み、コメディアンとして一発当てようと企む。 ゼンゼ…

知らなきゃよかった 予測不能時代の新・情報術

文春新書の池上彰と佐藤優対談集、第4弾。あまりにも世界の動きが速すぎて、この対談集もホントに生もの。 私はTwitterを楽しく閲覧してますが、SNSはとても居心地がいいけれどエコーチャンバー現象が怖くて、フォローしている人の考えに陥りやすい、考えに…

新九郎、奔る!/ゆうきまさみ

戦国大名の先駆け、のちの北条早雲となる伊勢新九郎の物語。 月刊スピリッツは近郊の本屋で見かけないので、ずっと単行本化を待っていました。 私は高校で日本史を専攻しておらず、戦国より前の中世は、同じような名前の人物が多くて混乱しやすく苦手でした…

まぼろしの「日本的家族」/早川タダノリ(編著)

自民党がやたらと押し付けてくる三世代同居、サザエさん的な日本の家族とは。7名の著者による総ツッコミ検証。読めば読むほど確かにまぼろしに見えるけど、うちの家族がまさしくその「田舎の」「伝統的な」「家父長制的ヒエラルキー」家族モデルに当てはまっ…

リアル・スティール/リチャード・マシスン

米ドラマ「ミステリーゾーン(トワイライト・ゾーン)」の脚本家であるリチャード・マシスンの短編集。といっても私は「ミステリーゾーン」をリアルタイムで見ていないけど、週刊少年ジャンプ連載の「アウターゾーン」は読んでいた世代なんですが、オチが効…

リンカーンの夢/コニー・ウィリス

南北戦争の物語を書き綴る作家の資料調査助手ジェフは、あるレセプションで旧友の彼女であるアニーと出会う。精神が不安定なアニーは毎晩奇妙な夢に悩まされていた。その夢は南北戦争の光景の中で、誰かと対話しているのだ。アニーの夢の謎を解くために2人は…

七人のイヴⅠ/ニール・スティーヴンスン

突如、月が7つに分裂し、その月のかけらがやがて衝突を繰り返し、2年後には無数の隕石となって地球に落ちてくると判明する。その結果、5千年は続く灼熱地獄が起こり、地球上の全てが不毛の地となるだろう。人類の種を残し、宇宙に避難するため各国政府は協調…

蔵書の苦しみ/岡崎武志

昨年から暇をみつけては、googleのスプレッドシートで蔵書記録を付けていて、マンガを省くと大体600冊は蔵書があると判明。うち半分以上が積ん読。そんなに積ん読本があるにもかかわらず、月に何度も本屋と古本屋で本を買うので本棚がぱんぱん。この蔵書をい…

モロー博士の島/H・G・ウエルズ

色々と掛け持ちの仕事をしてしまい、多忙の中ようやく読み終えたSF小説。ほんまに自分もモロー博士の島に閉じ込められた思いでした…。 大西洋で海難事故にあい、漂流していた主人公。8日目に通りかかった船に助けられたが、その船には怪しい白髪の男と猛獣が…

シビュラの目 ディック作品集/フィリップ・K・ディック

ディック60年代の黄金期の中・短編集。なにかと長編の作品と設定がかぶっているので、絵画で言えば大作のための素描・エスキースのような感じを受けました。 ・宇宙の死者 人は死ぬと急速冷凍され半生者として霊安所に保管、半生期寿命の1年分を小出しに1〜2…

冷たい方程式/トム・ゴドウィン他

1950年代のSFを中心に組まれたアンソロジーで、表題作含む9編の短編を収録。 『冷たい方程式』は訳者あとがきによるとSF"五大名作短編”のうちのひとつだとか。私は山本弘著の『ビブリオバトル部』の空ちゃんが熱く語っていたなぁと手に取りました。ハヤカワ…

ビリー・リンの永遠の一日/ベン・ファウンテン

19歳のビリーが属するブラボー分隊がイラクの戦闘でたまたま全米テレビ中継され、その功績から全米のヒーローになってしまう。一時帰還をはたし勝利の凱旋ツアー、二日後にイラクに戻るその日の数時間をビリーの視点で濃密に描くというお話。 クライマックス…

激震!セクハラ帝国アメリカ 言霊USA2018/町田智浩

文春連載の言霊USA第6弾の単行本は、ほぼほぼトランプでした。後半から#MeToo運動に発展したセクハラ騒動。私の大好きなケビン・スペイシーは雲隠れしてトンズラ、先日はモーガン・フリーマンもお・ま・え・も・かっ!と誠に遺憾であります。 そんな中で印…

スイス・アーミー・マン/Swiss Army Man

タイミングを逃して劇場で見れなかったと悔やんでいたら、すぐにレンタル化されました。 誰も助けてくれない無人島で絶望し、今まさに首をくくろうとした男(ハンク)の前には水死体(メニー)が。「もうすぐ僕もそっちへいくよ」と覚悟を決めたとき、死体か…

ゲームの王国 上・下/小川 哲

上下巻を読み終えた日に山本周五郎賞受賞!おめでとうございます!書評家のトヨザキ社長もおすすめ、去年のアメトーークで読書芸人がジャケ買いする本として紹介されてからずっと気になっていて、ようやく手に取りました。カンボジアのポル・ポト支配下にお…

ドリーム/Hidden Figures

1961年アメリカNASAのマーキュリー計画を裏方で支えた黒人女性達の話。 黒人と女性という二重の差別と戦い、見事な仕事っぷりで宇宙有人飛行を成功に導く姿が清々しい。NASAの職場で差別といじめにあっても、仲間と地域の人、家族が温かく支えてくれている。…

スローターハウス5/Slaughterhouse-Five

カート・ヴィネガット・Jrの原作を先に読んでいたので、原作のイメージを肉付けしていくように鑑賞でき面白かったのですが、これは原作を読んでいないと(映画に説明がないので)さっぱり分からんのでは。 原作で繰り返し出てきた「So it goes(そういうもの…

かご風バック

母の着物端切れをどうにかしようと、かご風バックを作ってみました。 配色をあんまり考えずにやっちゃったので、出来上がりがちょっと不満。脇のチェック柄はこれじゃない。義母から「地味っ!」と笑われました。うん、渋い色の紫を選んでしまったのも失敗。…

アルテミス上・下/アンディー・ウィアー

月面都市アルテミスでポーター(運送屋と密輸)として働くジャスミン(26歳)が、おいしいもうけ話を持ちかけられて、あれよこれよと殺人事件に巻き込まれ、知恵と勇気と仲間とで困難を乗り越えていくというお話。 『火星の人』アンディー・ウィアーの新作!…

レッスンバッグ

今月に入ってからバッグ3作目。やたらと作りまくっていますが、袋物をずっと作りたい〜ああしたいこうしたいが溜まっているのだ。 趣味のサークルに持って行くレッスンバッグを作りました。この布もバッグにしようと二年前に買ったやつ。(二年間据え置き) …

月の部屋で会いましょう/レイ・ヴクサヴィッチ

初めてのSF作家さん翻訳本で、33編もの短編集。ひとつひとつが10ページ未満なのでどんどん読めるかと思いきや、中盤に差し掛かってくると疲れてきたり、やや混乱しました。あまりにも設定が素っ頓狂で。 一番手の『僕らが天王星に着くころ』。足下から体の皮…

「最前線の映画」を読む/町山智浩

町山さんの本は出版されるやいなや本屋にかけこんで購入していますが、どんどん出版されるのに読むのが遅いので積ん読が〜と嬉しい悲鳴。今月も新刊を2冊買ったよ。 さて、『「最前線の映画」を読む』は、ここ2年ほどの間に公開された映画の解説本。映画を観…

ウォー・ヴェテラン ディック中短編集/フィリップ・K・ディック

ディックの初期短編6作品を仁賀克雄氏が訳しまとめたもの。社会思想社・現代教養文庫も今はもうなくなったのでレアな古本、でもよく古書店で見かけます。 『髑髏』“ミイラ取りがミイラになる”まんまの話だけど、ミステリアスで良く出来たSF短編だと思う。 快…

浴衣でトートバック

里帰りして、三回忌を迎える祖母の形見をいくつかわけてもらいました。その中で祖母お手製の浴衣をもらうも、私と祖母とは身長差が15センチ以上もあったので、袖丈、裾丈もちんちくりん。ちょうど買い物バックが欲しかったところなので、思い切ってバックに…

イスラム飲酒紀行/高野秀行

春休みは子供と南国に帰省してきました。桜は満開、早くも初夏の陽気で蚊も出てきてる。そして旅のお供は旅本がベストですな、というわけで高野さんのイスラム圏紀行文。厳密に飲酒を禁止されているイスラム圏で、執念の酒を求めるという、お酒なんてあるわ…