夜空と陸とのすきま

SF好き SF小説1000本ノックを目指しています

サトコとナダ/ユペチカ

サトコとナダ(1) (星海社コミックス)

アメリカの大学に通う日本人留学生のサトコがルームシェアをすることになった相手は、サウジアラビア人留学生のナダ。異文化同士の生活と友情を描く4コマ漫画。

Twitterで日々更新されている連載がリツイートで流れてきていて、TSUTAYAコミックレンタルで借りて読み、いやこの本は買いだわと本屋に走りました。最初は無料で見れたとしても、良い本は手元に置きたいのよ。あと、娘達が爆笑して読んでいたので。お陰様でイスラム圏に対する偏見がなくなったんじゃないかな、マンガって偉大です。

サトコとナダが一緒に住むことで、お互いの異文化を尊重しあい良いところが影響しあっていくのがいいなあと思う。まさにダイバーシティ、理想の世界です。イスラム圏とアメリカ文化のうんちくだけに固執せず、女の子同士の友情が育まれていく物語としてしっかり描かれているのが好感を持てます。

それにしてもメッカの方向や礼拝時間を教えてくれるスマホアプリ、会ったことがない親同士が決めた婚約者の情報をSNSでチェック、メッセンジャースタンプ返すとか、宗教と近代化のギャップが面白いな−。

図書館島/ソフィア・サマター

図書館島 (海外文学セレクション)

文字と文学を持たない島の青年が、大海を渡り大陸に行き、文字と文学に出会い衝撃を受けていたら、船内で出会っていた少女の霊に取り憑かれ、宗教戦争にも巻き込まれるお話。剣も魔法も出てこないけれど、文字が魔法というのが素敵。情緒あふれる表現が多くて、吟遊詩人の話を読んでいるようでした。そういう意味ではアラビアンナイトに似ているのかな。

最初に表紙絵を見てイメージしたのが、島がまるごと図書館なので羨ましくてそそられたのですが、本文に「図書館島」という名の島は出てこなくて、主人公は島の神殿に幽閉されたけれどすぐに助け出され、導かれるままあれよこれよとオロンドリア大陸を旅してゆく。裏表紙を見たら、原題は「A Stranger in Olondria」であって、「Library Island」じゃないやんー。一体なんだったんだ図書館島というタイトル詐欺ではあります。

でもまあ、その世界の言語と神話、宗教と地名まで細かく設定を作り上げていると、ファンタジーはとても奥深くなりますね。巻末に名詞索引が付いていても全然足りないくらいでした。同じオロンドリアの世界で続編もあるようなので、長いシリーズになるのかな。

「ヴァロンって何だかわかったわ」と彼女は言った。「ジュートよ」

この世界の言葉に読み慣れていき、この会話の名詞の意味がわかると「おおっ!」とくる一節。書物に対する思い入れが熱いお話しでした。

横長ポーチ

針仕事です。

仕事で使うペンケースを新調したくなり、横長のポーチを作ってみました。ほぼ1年ぶりのミシン、楽し〜いとアドレナリンでまくり。表面のアクセントになるテープがなかったので、青めの布で。

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裏面は大分前に買ったワッペンを貼ってみました。

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縦7センチ、横16センチ、マチ5センチなので、はさみも定規も入ります。裏地は薄緑のドット地で。

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ファスナーのチャームは江島神社江ノ島)の美白守。去年あたりの旦那さんからのお土産です。ええどうせ南国生まれの地黒ですわ、いつだってオークルDだよ。

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今年はこのペンケースを相棒にお仕事頑張ります。

すべて裏面で縫うため、返し口から表面にひっぱりだすのが大変でしたが、使い勝手がよさそうなポーチです。さすがkomihinataさん!参照したのはこちらの本です。

 

 

ブログ5年目なので気分でタイトル変えてみた

新年あけましておめでとうございます。

怒濤のお正月、めちゃくちゃ忙しいぞ家事三昧もういやだ!とストレスMAXでかなりブルーなので、気分を変えてみたくてブログタイトルを変更しました。

「本棚の隣で針仕事」も気に入っていたのですが、落ち着いて針仕事がほとんどできていないので困ったなぁと思っていまして、大好きな山之口獏氏の詩「生活の柄」から一フレーズを。夜空と陸との隙間にもぐり込んで、今日も本を読み、映画を観てブログを書きつづりたいと思います。(たまに針仕事もね…)

お正月の初売りって結婚してから行ったことがないんです。なぜって家業が(ごにょごにょ…)なので、新聞を整理しながら初売り福袋なんて広告チラシを見るとキッーってなって、チラシでゴミ箱を大量に折ってしまいました。きっと亡くなった祖母が憑依したのでしょう。おせち作りながら野菜くずとかポンポン入れてなかなか役にたちましたよ。ああ、カルディの福袋欲しかったな。 

allabout.co.jp

 

それでは、つたないブログ5年目になりますがこれからも宜しくお願いいたします。

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アルファ系衛星の氏族たち/フィリップ・K・ディック

アルファ系衛星の氏族たち (創元SF文庫)

大寒波襲撃により日々除雪、除雪の年末です。ママさんダンプを使いすぎて手のひらにマメがっ!そんな中で今年最後になるであろう読書に選んだのが、ディック自身も失敗作と公言していた「アルファ系衛星の氏族たち」。

いやー毎晩寝落ちしまくり遅々として読み進まず。とにかくキャラを出しまくって(相関図書くの大変でした)、どんな風に展開していくか悩み書き進めていたけど宇宙を巻き込んだ夫婦喧嘩で終わっちゃった感があります(前にもあったなこのパターン)。

奥さんは貧乳で、若い彼女は爆乳って、結局はおっぱいかっっ!絞め殺すぞこの野郎と、誰に向かって言えばいいのやら。

とはいえ、最後の方は四つ巴のバトルありの急展開で目が覚めました。ダメ男な主人公をなぜか助けてくれるガニメデ星の粘菌君(超良い奴)、ウサギの着ぐるみを着る喜劇役者のヘントマン、と変な人もたくさん出てきます。

そもそもアルファ系帝国の衛星に、地球人の精神疾患者達を送り込んで放置、その後彼らは独自の文化を形成していたという始まりから面白いアイデアだと思いましたが、キャラクター全員の言っていることとやっていることがちぐはぐで、読者は混乱するのです。きっとディックも混乱していたんだと思うの。

さて買いためたディック本はまだまだあり、ようやく半分くらい読んだのか…?来年も張り切って読んでいこうと思います。2017年もあと30分ですが、皆様良いお年を。

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