IT企業に勤める天才プログラマー コーエンは、数式「ゼロ」の解明に挑むが…人生の意味と愛とはなんぞやにせまるお話。
テリー・ギリアムワールドは情報量が多くて隠れアイコンだらけで、見ているだけでクラクラします(大好き!)。コーエンが住む古風な廃墟の教会と、広告が始終追いかけてくる街の風景やパチンコ屋みたいなIT企業のオフィスの対比。あのビビッドな色使いに、画面のざらつき感がちゃちでわざとらしくていいなぁ、本当にいいなぁ。
コーエンは自宅の教会に引きこもり、「生きる意味を教えてくれる電話」を待ちながらコンピュータで「ゼロ」の解明に挑むが八方ふさがり。そんな折りに孤独に生きてきたコーエンにも、めっちゃ挑発してくるコールガールとの恋、天才プログラマー青年と友情も芽生えはじめるがー、最後は「未来世紀ブラジル」と真逆だったのでちょっと驚きました。いやブラジルも大分前に見たのでうろ覚えなんだけど、愛する彼女と二人でうふふアハハなラストだったはず。どんな人間も死ぬときは一人ということなのか、だとすると映画序盤のコーエンがすっぽんぽんな裸だったのも意味深。
公園シーンでピクトグラムにすべて×、禁止を付けるこのシーンが印象的でした。何するのも×をつける管理社会だったら、生きる意味なんてわからないよね。